专利摘要:
本明細書に記載の発明は、アルファ‐アミラーゼ活性を有し、親アルファ‐アミラーゼに比較して改変される特性を有する親アルファ‐アミラーゼの変異体(ミュータント)及びその使用方法に関する。
公开号:JP2011510681A
申请号:JP2010545961
申请日:2009-02-04
公开日:2011-04-07
发明作者:エスタブルック、メロディー;カスカオ−ペレイラ、ルイス;ケリス、ジェイムズ・ティー、ジュニア;コルクマン、マーク;ジョーンズ、ブライアン・イー;チャン、クラウディーン;チョイ、クレメント;ブローメン、キャスパー;リーフラング、クリス;ワイラー、ウォルター
申请人:ダニスコ・ユーエス・インク;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 優先権
本出願は2008年2月4日に出願した米国仮特許出願第61/026,056及び2008年6月6日に出願した61/059,403に対して優先権を主張する。それにより、それら全体が参照により取り込まれる。]
[0002] 技術分野
本発明は記載のTS‐23アルファ‐アミラーゼ(以後アルファ‐アミラーゼと称する)の変異体に関する組成物及び方法であり、変異体が親アミラーゼに対して改変される生化学的特性及び有利な性能特徴を有することを特徴とする。変異体は例えば、デンプン転換、エタノール生産、洗濯及び食器洗剤、硬い表面洗浄、織物湯通し、及び/又は甘味料生産における使用に有用である。]
背景技術

[0003] デンプンはアミロース(15から30%w/w)とアミロペクチン(70から85%w/w)の混合物である。アミロースは約60、000から約800、000の分子量(MW)を有する直鎖アルファ‐1,4‐結合グルコースユニットからなる。アミロペクチンは24から30のグルコースのユニットごとにアルファ‐1、6分岐点を含む枝分かれポリマーである。そのMWは一億に達し得る。]
[0004] 濃縮デキストロースシロップの形態のデンプン由来の糖は、現在、
(1)アルファ‐アミラーゼでの固体デンプンの液状化(又は粘度低下)による約7から10の平均重合度を有するデキストリンの生成、及び
(2)アミログルコシダーゼ(またグルコアミラーゼ又はGAと呼ばれる)で得られた液化デンプン(即ち、デンプン加水分解物)の糖化
を含む酵素の触媒によるプロセスで生産される。得られたシロップは高いグルコース含有量を有する。商業的に生産されるグルコースシロップの多くは、後に、イソシロップで知られるデキストロース/フルクトース混合物へ酵素的に異性化される。]
[0005] アルファ‐アミラーゼ類(アルファ‐1,4‐グルカン‐4−グルカノヒドロラーゼ、E.C.3.2.1.1)は不規則に内部のアルファ‐1,4‐グルコシド結合を切断することによりデンプン、グリコーゲン、関連する多糖を加水分解する酵素群を構成する。この酵素のクラスは、例えばデンプン処理の最初の段階(液状化)にて、織物の湯通しにて、再利用紙の脱インク処理にて、製紙及びパルプ産業におけるデンプンの改変にて、浸漬穀物の粉砕にて、アルコール生産にて、甘味料(例えば、糖)の製造にて、飲料産業にて、醸造にて、油田にて、動物飼料にて、及び洗剤マトリクス中の洗浄剤として、数多くの重要な産業上の利用を有する。例えば、このような酵素は食器洗浄及び洗濯においてデンプン汚れを除くため用いることができる。]
[0006] アルファ‐アミラーゼは、広範囲の細菌類、菌類、植物、及び動物の供給源から単離される。産業的に、多くの重要なアルファ‐アミラーゼは、バシルス(Bacilli)から単離されたものである。ある特徴的なアルファ‐アミラーゼは好アルカリ性バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS−23アルファ‐アミラーゼであって、デンプン加水分解活性を有する少なくとも5種類の酵素を生産する(Lin他、1998,Production and properties of a raw-starch-degrading amylase from the thermophilic and alkaliphilic Bacillus sp. TS-23, Biotechnol. Appl. Biochem. 28: 61-68)。広いpH範囲(即ち、pH4.7からpH10.8)に渡って安定であるけれども、バシルス種(Bacillus sp.)番号TS‐23のアルファ‐アミラーゼは最適pH9を有する。酵素は低い温度、例えば15℃から20℃で活性を有するけれども、ポリペプチドは45℃の最適温度を有する。]
[0007] 改変される生化学的特性を有し、産業上利用において改善される性能を提供するアルファ‐アミラーゼの変異体の必要性が残っている。]
[0008] 本明細書に記載の発明は、例えば、デンプンの処理(デンプン液化、糖化等)、織物の処理(例えば、湯通し)、及び洗剤への添加剤として(デンプンベースの汚れを洗浄するため)のような多様な産業処理に関連して有利である改変される特性を有するTS‐23アルファ‐アミラーゼの変異体(ミュータント)に関する。]
[0009] 改変は特異的活性、基質特異性、基質結合、基質切断パターン、熱安定性、酸化に対する安定性、Ca2+依存性、pH活性プロファイル、pH安定性プロファイル、及び他の所望の特性における改変を含むが、これらに限定されない。典型的な改変されるpH安定性プロファイルは低いpH(例えば、pH<6及びpH<5でさえも)にて増加される安定性及び又は高いpH(例えばpH>9)にて増加される安定性である。]
[0010] ある態様において、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体は、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%でさえも親アルファ‐アミラーゼに対して相同性を有するアミノ酸配列を有し、下記の少なくとも二つを含む。
(a)C末端の欠失、
(b)アミノ酸201の置換、又は
(c)R180及びS181残基の欠失
ここで、変異体はアルファ‐アミラーゼ活性を有する(番号を付するために配列番号1を用いる)。いくつかの実施態様においては、親アルファ‐アミラーゼは配列番号1である。いくつかの実施態様においては、親アルファ‐アミラーゼは配列番号1に対して特定の相同性を有する。]
[0011] 別の態様はバシルス種(Bacillus sp.)番号TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含む手作業又は自動食器洗浄組成物を含む。組成物はさらに界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、曇り防止剤及び香料の一以上を含んでよい。食器洗浄組成物は手作業又は自動食器洗浄用に用いる組成物でよい。]
[0012] 関連する態様はバシルス種(Bacillus sp.)番号TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含む洗濯洗剤添加剤を含む。上述のように、組成物は、さらに界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、曇り防止剤及び香料の一以上を含んでよい。また、組成物は界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、蛍光増白剤、繊維コンディショナー、及び香料の一以上を含んでよい。]
[0013] さらなる態様は、本明細書に記載の変異体をコードする核酸に関し、そのような核酸を含むベクターに関する。また、本発明は、ベクター、ファージ又はウイルスによりそのような核酸が挿入される細胞に関する。単離される宿主細胞は例えば、細菌又は菌類のような微生物である。細菌は、バシルスズブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシルスレンツス(Bacillus lentus)、バシルスブレビス(Bacillus brevis)、ゲオバシルスステアロテルモフィルス(G. stearothermophilus)(以前はバシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)と呼ばれる)、バシルスアルカロフィリス(Bacillus alkalophilus)、バシルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルスコアグランス(Bacillus coagulans)、バシルスサーキュランス(Bacillus circulans)、バシルスランツス(Bacillus lautus)、及び バシルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はストレプトミセスリビダンス(Streptomyces lividans)、又は、ストレプトミセス ムリナス(Streptomyces murinus)から選択されるグラム陽性菌である。あるいは、グラム陰性菌であって、大腸菌(E. coli)又はシュードモナス(Pseudomonas)種である。]
[0014] 他の態様は変異体ポリペプチドを調製する方法に関し、デンプン液化のような多様な産業処理での変異体ポリペプチド単独又はアルファーデンプン分解酵素を含む他の酵素と組み合わせでの使用に関する。幾つかの態様は洗濯洗浄及び/又は食器洗浄のための変異体ポリペプチドの使用を含む。また、変異体ポリペプチドを用いる織物及び/又は他の固い表面を洗浄する方法を含む。別の態様においては本明細書に記載のアルファ‐アミラーゼ又は織物湯通し組成物中の任意のアルファ‐アミラーゼ変異体の使用を含み、ここで、組成物は水性溶液である。また、前記組成物を用いる織物を湯通しする方法を含む。]
[0015] 変異体ポリペプチドは非粉塵化(dusting)粒子、微粒子、安定化液体又は被保護酵素の形態中に任意に存在してよい。別の態様は洗剤添加剤又は洗剤組成物がセルラーゼ、プロテアーゼ、アシルトランスフェラーゼ、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、アルファ‐ガラクトシダーゼ、ベータ‐ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ‐グルコシダーゼ、ベータ‐グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、デンプン分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、又はキシラナーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、カラギナーゼ、又は酵素の任意の組み合わせからなる群から選択される酵素をさらに含む。組成物中に用いるために考えられる他のアミラーゼは二以上の他のアルファ‐アミラーゼ、ベータ‐アミラーゼ、イソアミラーゼ、又はグルコアミラーゼを含む。]
[0016] 幾つかの態様は、水溶液中バシルス種(Bacillus sp.)TS‐23番アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含むデンプン処理のための組成物に関する。また、デンプン処理のためのそのような組成物を使用する方法に関する。方法又は組成物はさらにグルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、フィターゼ、又はそれらの組み合わせを含んでよい。別の態様は溶液又はゲル中にバシルス種(Bacillus sp.)TS‐23番アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含み、さらに任意にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、抗菌剤、又はそれらの任意の組み合わせを含むバイオフィルム分解(例えば、加水分解)組成物に関する。また、前記組成物を用いるバイオフィルムを加水分解する方法に関する。]
[0017] 別の態様は、溶液中バシルス種(Bacillus sp.)TS‐23番アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含むデンプン糖化のための組成物に関する。従って、前記デンプンを糖化するのに十分な時間本明細書に記載のアルファ‐アミラーゼを含む組成物を適用することを含むデンプンを糖化する方法も含む。]
[0018] 別の態様は、溶液中バシルス種(Bacillus sp.)TS‐23番アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含むデンプンを液化するための組成物に関する。デンプンを液化するのに十分な時間組成物を適用することを含むデンプンを液化するの組成物を処理することを含むデンプンを液化する方法も含む。]
[0019] 組成物及び方法の幾つかの特定の態様を以下に示す。]
[0020] ある態様において、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体であって、前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸を有し、下記の少なくとも二つを含む。
(a)C末端の欠失、
(b)201残基の置換、又は
(c)R180及びS181残基の欠失
ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸配列をいう。幾つかの態様において、変異体がアルファ‐アミラーゼ活性を有する。]
[0021] 幾つかの実施態様においては、変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも90%の相同性を有する。幾つかの実施態様においては、変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも95%の相同性を有する。ある実施態様においては、親アルファ‐アミラーゼは配列番号1のアミノ酸配列を有する。]
[0022] 幾つかの実施態様においては、さらに、変異体が、残基87、残基225、残基272、及び残基282からなる群から選択される残基の一以上にて置換を含む。]
[0023] 別の実施態様においては、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体であって、前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも85%の相同性を有し、C末端の欠失を含む。幾つかの実施態様においては、変異体は配列番号2のアミノ酸配列を有する。変異体が親アミラーゼと比較して冷水中デンプン汚れに対して増加される洗浄活性を有する]
[0024] さらに、幾つかの実施態様においては、変異体が、R180及びS181の位置にて残基の欠失を含み、ここで、前記アミノ酸残基の位置が配列番号1のアミノ酸配列をいう。変異体は親アミラーゼと比較して増加される洗剤安定性を有してよい。]
[0025] 幾つかの実施態様においては、さらに変異体が201位置にて残基の置換を含み、ここでアミノ酸残基の位置が配列番号1のアミノ酸をいう。前記変異体が親アミラーゼに比較して増加される酸化安定性を有してよい。変異体は置換M201Lを有してよい。]
[0026] さらに、変異体が、残基87、残基225、残基272、及び残基282からなる群から選択される残基の一以上にて置換を含み、ここでアミノ酸残基の位置は配列番号1のアミノ酸をいう。]
[0027] 関連する態様において、本発明は本明細書に記載の変異体をコードする核酸に関する。幾つかの実施態様においては、本発明は適切なプロモーター下にこの核酸を含む発現ベクターに関する。幾つかの実施態様においては、本発明は発現ベクターを含む宿主細胞に関する。]
[0028] 関連する態様において、本発明は、手作業又は自動食器洗浄組成物であって、本明細書に記載の変異体及び界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、曇り防止剤及び香料の一以上を含むことを特徴とする組成物に関する。]
[0029] 関連する態様において、本発明は、洗濯洗剤添加剤であって、本明細書に記載の変異体及び界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、蛍光増白剤、繊維コンディショナー、及び香料の一以上を含むことを特徴とする組成物に関する。]
[0030] 別の態様において、本発明は、織物からデンプンを除く方法であって、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体存在下に織物をインキュベーションすることを含み、ここで前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、下記の少なくとも二つを含む方法に関する。
(a)C末端の欠失、
(b)201残基の置換、又は
(c)R180及びS181残基の欠失、
ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸をいい、前記インキュベーションは織物からデンプンを除去することを特徴とする。]
[0031] 関連する態様において、本発明は、デンプンを処理する方法であって、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体存在下に織物をインキュベーションすることを含み、ここで前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、下記の少なくとも二つを含む方法に関する。
(a)C末端の欠失、
(b)201残基の置換、又は
(c)R180及びS181残基の欠失、
ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸をいい、前記インキュベーションは前記デンプンを加水分解することを特徴とする。]
[0032] これら及び本発明の組成物及び方法の他の態様及び実施態様は、明細書及び図面にかんがみて明らかである。]
図面の簡単な説明

[0033] 図1は親TS‐23アミラーゼのアミノ酸配列(完全長、成熟、配列番号1)を示す。
図2はAmyTS23t欠失ポリペプチドのアミノ酸配列(成熟、配列番号2)を示す。太字及び下線部のテキストはR180、S181及びM201アミノ酸残基を示す。
図3は最適化amyTS23遺伝子のDNA配列を示す(配列番号3)。
図4は最適化amyTS23t遺伝子のDNA配列を示す。
図5はAmyTS23及びAmyTS23t用の発現カセットを示す。
図6は完全長AmyTS23アミラーゼ(AmyTS23fl)及びOxAmコントロールを用いる布見本洗浄試験の結果を示すグラフである。
図7はアミラーゼAmyTS23fl及びOxAmコントロールを用いる布見本洗浄試験の結果を示すグラフである。
図8はアミラーゼAmyTS23t及びOxAmコントロールを用いる布見本洗浄試験の結果を示すグラフである。
図9はアミラーゼAmyTS23t及びOxAmコントロールを用いる布見本洗浄試験の結果を示すグラフである。
図10は二つの異なる洗濯洗浄製剤におけるAmyTS23t及びAmyTS23tΔRSを用いる促進される安定性試験を示すグラフである。
図11はAmyTS23t、AmyTS23tΔRS及びAmyTS23t(M201+ΔRS)の酸化安定性を示すグラフである。
図12はコメデンプン布見本における液体洗剤中AmyTS23tΔRSの性能を示すグラフである。
図13は電荷変化の関数として残留活性を表示したグラフである。
図14は本明細書にて言及するさらなるアミノ酸及びヌクレオチド配列を示す。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図2 図3 図4 図5
[0034] 詳細な説明
バシルス種(Bacillus sp.)番号TS‐23アルファ‐アミラーゼ及びその変異体に関する組成物及び方法を記載する。TS‐23の変異体は改変される生化学的特徴を有し及び例えば、洗濯及び食器洗浄適用において高い性能を発揮する。変異体のこれら及び他の特徴及び変異体を使用するための適用を詳しく述べる。]
[0035] 1.略語及び定義
次の略語及び定義を適用する。単数形「a」「an」及び「the」は、内容が明らかに他の事を指し示していない限り、複数の指示対象を含む。すなわち、例えば、「酵素(an enzyme)」はそんな酵素の複数を含み、「製剤(the formulation)」の意味は一以上の製剤及び当業者等が知っているそれらと同等な製剤のー又は複数の意味を含む。]
[0036] 本明細書にて他に定義されていない限り、本明細書で用いるすべての技術的及び科学用語はこの発明に属する当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を持つ。Singleton、他、DICTIONARY OFMICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.、John Wiley and Sons, New York (1994)及びHale & Markham, THEHARPERCOLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)が、当業者には本発明で用いられる用語の多くの一般的辞書となる。]
[0037] 組成物及び方法のいくつかの態様は遺伝子工学及び分子生物学の分野にて用いる規定の技術及び方法に依存する。次の資料は本組成物及び本発明に従って有用な遺伝子工学の記載を含む。それはSambrook他MOLECULAR CLONING: A LABORATORYMANUAL (2nd Ed., 1989); Kreigler, GENE TRANSFERAND EXPRESSION; A LABORATORY MANUAL (1990)及び Ausubel他、Eds. CURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (1994)である。これらの一般的参考書は当業者に周知の定義及び方法を記載する。しかしながら、本明細書に記載の組成物及び方法は任意の特定の方法、手順、及び記載される試薬に限定すべきではない。なぜならこれらは変化するからである。本明細書に記載のものと類似及び同等の任意の方法及び材料が本明細書に開示される化合物、組成物及び使用方法の実施又は試験に用いてよいけれども、ここには好ましい方法及び材料を開示する。]
[0038] タンパク質及びそれらをコードする遺伝子を記載する場合、遺伝子の名前は一般的に、イタリック体であり、大文字ではないが、一方、タンパク質の名前はイタリック体ではなく、一般的に最初の文字が大文字である。]
[0039] 特許及び刊行物内に記載されるすべての配列を含む本明細書に言及されるすべての特許及び刊行物は、参照により明確に取り込まれる。]
[0040] 1.1 定義
本明細書にて用いる用語「デンプン(starch)」は、植物性ポリサッカライドの炭水化物の複合体を含み、化学式(C6H10O5)xで表すアミロース及びアミロペクチンを含む任意の原料をいい、ここで「x」は任意の数字である。実際に、その用語は任意の植物ベースの原料であって、穀物、草、塊茎、及び根を含むが、これらに限定されず、特に、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦、コメ、ソルガム、ふすま、キャッサバ、アワ(millet)、ジャガイモ、サツマイモ、及びタピオカを含むがこれらに限定されない。]
[0041] 本明細書にて用いる用語「アミラーゼ」は、デンプンの分解を触媒できる酵素を意味する。アミラーゼ類はデンプン中のアルファ‐D‐(1→4)O‐グリコシド結合を切断する加水分解酵素である。一般的に、アルファ‐アミラーゼ(EC 3.2.1.1; α‐D‐(l→4)‐グルカングルカノヒドロラーゼ(glucan glucanohydrolase))は不規則的にデンプン分子内のアルファ‐D(1→4)O‐グリコシド結合を切断するエンド作用酵素として定義される。それに対して、エキソ作用デンプン分解酵素は、基質の非還元末端からデンプン分子を切断し、例えば、ベータ‐アミラーゼ(EC 3.2.1.2.α‐D‐(l→4)−グルカンマルトヒドロラーゼ(glucan maltohydrolase))及びマルトジェニックアルファ‐アミラーゼ(maltogenic α‐amylase)(EC 3.2.1.133)のようなある産物特異的アミラーゼ類である。ベータ‐アミラーゼ、アルファ‐グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20; α‐D‐グルコシドグルコヒドロラーゼ(glucoside glucohydrolase))、グルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3; α‐D‐(l→4)-グルカン グルコヒドロラーゼ(glucan glucohydrolase))、及び産物特異的アミラーゼ類はデンプンから特徴的な長さの麦芽オリゴ糖を生産する。本明細書にて用いるアミラーゼは、任意/すべてアミラーゼを含み、グルコアミラーゼ、アルファ‐アミラーゼ、ベータ‐アミラーゼ、及び例えばバシルスリチェニフォルミス(B. licheniformis)及びバシルスズブチリス(B. subtilis)のようなバシルス種(Bacillus sp.)のような野生型アルファ‐アミラーゼを含む。]
[0042] 「バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ」及び同様なフレーズは、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23由来のアルファ‐アミラーゼをいう。アルファ‐アミラーゼをコードする遺伝子は、野生型遺伝子又はアルファ‐アミラーゼをコードするコドン最適化ポリヌクレオチドである。バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23の成熟アルファ‐アミラーゼ(アミノからカルボキシの方向)(配列番号1、図1)を示す。] 図1
[0043] 本明細書にて用いる「バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ変異体」及び同様なフレーズは、野生型バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼの変異体/ミュータントを意味し、それはバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23の親(野生型、参照)アミノ酸配列についてアミノ酸置換、追加、及び/又は欠失を含む。「変異体(variant)」という用語は、「ミュータント(mutant)」という用語と互換可能に用いてよい。バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ変異体は親シグナル配列に関してシグナル配列中に変異を含んでよい。さらに、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ変異体は、例えば、バシルスリチェニフォルミス(B. licheniformis)(LAT)由来の異種のアルファ‐アミラーゼシグナル配列を含む融合タンパク質の形態でもよい。]
[0044] 本明細書にて用いる語句「親バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ」、「野生型バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ」、「参照バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ」、及び同様な語句はバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23のポリペプチドをいう。用語は、「親酵素(parent enzyme)」、「野生型酵素(wild−type enzyme)」、「親ポリペプチド(parent polypeptide)」、参照ポリペプチド(reference polypeptide)」等に便宜的に略されてよい。親バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼは親ポリペプチドのシグナル配列における変異を含んでよい。さらに、親バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼは、バシルスリチェニフォルミス(B. licheniformis)アルファ‐アミラーゼ(LAT)のような異種のアルファ‐アミラーゼシグナルペプチドを含む融合タンパク質の形態でもよい。]
[0045] 「親核酸/ポリヌクレオチド」、「野生型核酸/ポリヌクレオチド」又は「参照核酸/ポリヌクレオチド」は、親ポリペプチドをコードする核酸配列及びそれらに相補的な核酸をいう。]
[0046] 「変異体核酸/ポリヌクレオチド」は、変異体ポリペプチドをコードする核酸配列又はそれらに相補的な核酸、又は親ポリヌクレオチド配列又はそれらに相補的な核酸に対して置換、挿入、欠失を少なくとも一つ有するポリヌクレオチド配列をいう。そのような特定の核酸は参照配列に特定の割合で相同性を有するもの又は参照配列にハイブリダイズできるものを含んでよい。例えば、ストリンジェント条件下[例えば、50℃及び0.2XSSC(1XSSC=0.15M NaCl,0.015M Na3citrate,pH 7.0])、又は高いストリンジェント条件下[例えば、65℃及び0.1XSSC(1XSSC=0.15M NaCl,0.015M Na3citrate,pH 7.0)]である。変異体核酸は、例えば、メチロトローフ酵母(例えば、ピキア(Pichia)、ハンゼヌラ(Hansenula)等)又は糸状菌(例えばトリコデルマ(Trichoderma)(例、トリコデルマレーシ(T. reesei))又は、他の発現宿主(例えば、バシルス(Bacillus)、ストレプトミセス(Streptomyces)等)のような特定の宿主生物にとって有用な所望のコドンを反映して最適化してよい。]
[0047] 用語「組み換え」は、対象の細胞、核酸、タンパク質又はベクターに言及して用いる場合、対象が、異種核酸又はタンパク質の導入又は天然の核酸又はタンパク質の改変により修飾されていること、又は細胞が、そのように修飾された細胞由来であることを示す。即ち、例えば、「組み換え細胞」は、細胞の天然(非組み換え)形態の中に見られない遺伝子を発現し、さもなければ発現する又はまったく発現しない条件下過剰に発現した天然遺伝子を発現する。]
[0048] 用語「回収される」、「単離される」、及び「分離される」は、自然に結合し及び自然に見られる少なくとも一つの成分から除去される化合物、タンパク質、細胞、核酸、又はアミノ酸をいう。]
[0049] 本明細書にて用いる用語「精製される」は、相対的に純粋状態、例えば少なくとも約90%純粋、又は少なくとも約95%純粋、又は少なくとも約98%純粋又は少なくとも約99%純粋である材料(例えば、単離されるポリペプチド又はポリヌクレオチド)をいう。]
[0050] 用語「熱安定性の」及び「熱安定性」は、高い温度にさらされた後、活性を維持するような酵素能力を意味する。例えば、アルファ‐アミラーゼ酵素のような酵素の熱安定性はその半減期によって測定される。半減期(t1/2)は、所定の条件下、半分の酵素活性が消失する間の分、時間、日の単位で表す時間である。半減期の値は高い温度にさらされた(即ち、高温に挑んだ)後残りのアルファ‐アミラーゼ活性を測定することにより計算される。]
[0051] 「pH範囲」は、酵素が触媒活性を有するもとでのpHの範囲をいう。]
[0052] 本明細書にて用いる用語「pH安定の」及び「pH安定性」は、所定の時間(例えば、15分、30分、1時間等)にpHの広い範囲に渡って活性を維持する酵素能力に関する。]
[0053] 本明細書にて用いる「アミノ酸配列」は用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」と同義語であり、互換可能に用いる。そのようなアミノ酸配列が活性を有する場合、それらの用語は「酵素」をいう。従来の1文字又は3文字アミノ酸残基コードを本明細書にて用いる。]
[0054] 用語「核酸」はDNA、RNA、ヘテロ二重鎖、及びポリペプチドをコードできる合成分子を含む。核酸は、一本鎖又は二本鎖でよく及び化学的修飾でよい。用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は互換可能に用いてよい。遺伝子コードは縮退するので、二以上のコドンを特定のアミノ酸をコードするために用いてよく、明細書に記載の組成物及び方法は特定のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。]
[0055] 他に指示しない限り、それぞれ核酸は5’から3’の方向を左から右へ記載し、アミノ酸はアミノからカルボキシルの方向を左から右へそれぞれ記載する。]
[0056] 「相同体」は、対象のアミノ酸配列及び対象のヌクレオチド配列とある度合いの相同性を有する物を意味する。周知の配列アライメントツール(例えば、Clustal、BLAST等)用いて、相同配列は対象配列に対して少なくとも約75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%でさえも相同的なアミノ酸配列を含むと考えられる。一般的に、特に断りがない限り、相同性は対象アミノ酸配列の同様の活性部位残基を含む。]
[0057] 本明細書にて用いる「ハイブリダイゼーション」は、ブロットハイブリダイゼーション法及びポリメラーゼチェーン反応(PCR)法の間で生じる相補鎖を有する核酸塩基対の一本鎖による過程をいう。]
[0058] 本明細書にて用いる「合成の」分子は、生物によって生産されるよりむしろインビトロで化学的又は酵素的合成によって生産される。]
[0059] 本明細書にて、細胞に関して用いる場合の用語「形質転換される」「安定に形質転換される」及び「トランスジェニックの」は、細胞がその遺伝子に組み込まれ又は複数世代を通して維持されるエピソームプラスミドとして保持される外来種(例えば、異種の)の核酸配列を有することを意味する。]
[0060] 細胞へ核酸配列を挿入するという文脈中「導入される」という用語は、周知技術の「トランスフェクション」、「形質転換」、「形質導入」を意味する。]
[0061] 「宿主菌株」又は「宿主細胞」は、所望のポリペプチド(例えば、変異体アルファ‐アミラーゼ)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、ファージ、ウイルス又はDNA構築体が導入された微生物を意味する。例えば、宿主菌株は細菌細胞である。用語「宿主細胞」はバシルス種(Bacillus sp.)の細胞のような細胞から創製されるプロトプラストを含む。]
[0062] ポリヌクレオチド又はタンパク質に関して、用語「異種の」は宿主細胞に自然的に発生しないポリヌクレオチド又はタンパク質をいう。]
[0063] ポリヌクレオチド又はタンパク質に関して、用語「内因性の(endogenous)」は宿主細胞中に自然的に発生するポリヌクレオチド又はタンパク質をいう。]
[0064] 本明細書にて用いる用語「発現」は遺伝子の核酸配列に基づいてポリペプチドが生産されるプロセスをいう。プロセスは転写及び翻訳両方を含む。]
[0065] 用語「選択的マーカー」又は「選択可能なマーカー」は遺伝子を保持する宿主細胞の選択に役立つように宿主中に発現可能な遺伝子をいう。選択可能なマーカーの例は抗菌剤(例えば、ハイグロマイシン、ブレオマイシン、又はクロラムフェニコール)及び/又は宿主細胞の栄養的利益のような代謝利益を与える遺伝子を含むが、これらに限定されない。]
[0066] 用語「培養する」は液体又は固体培地において適切な条件下に微生物細胞の集団を増殖することをいう。培養するは、最終産物への粒状デンプンを含むデンプン基質の発酵性バイオコンバージョンをいう(一般的に容器又は反応器)。]
[0067] 「発酵」は、単純な有機化合物を生産するために行われる微生物による有機基質の酵素的及び嫌気的分解である。発酵は嫌気的条件下に行われるけれども、酸素存在下でも発酵が行われるので、その用語は厳格な嫌気的条件に限定されることを意図していない。]
[0068] 「遺伝子」は、ポリペプチドを生産するのに関係するDNAセグメントをいい、コード領域、コード領域の前後の領域、及び個々のコードセグメント(エクソン)間に介在する配列(イントロン)を含む。]
[0069] 「ベクター」は一以上の細胞のタイプへ核酸を導入するために設計されるポリヌクレオチド配列をいう。ベクターはクローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、カセット等を含む。]
[0070] 「発現ベクター」は適切な宿主においてDNAの発現に影響をあたえられる適切な制御配列に作動可能に結合された所望のポリペプチドをコードするDNA配列を含むDNA構築体をいう。そのような制御配列は転写に影響するプロモーター、転写を制御する任意のオペレーター配列、mRNA上の適切なリボゾーム結合部位をコードしている配列、エンハンサー、及び転写及び翻訳の停止を制御する配列を含んでもよい。]
[0071] 「プロモーター」は遺伝子の転写を開始するためにRNAポリメラーゼを結合することに関係する調節配列である。プロモーターは誘導プロモーター又は構成的プロモーターでよい。プロモーターの例はバシルスリチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)アルファ‐アミラーゼ(AmyL)プロモーターである。]
[0072] 用語「作動可能に結合する」は、特定の成分が意図する態様で機能を行うようにそれらを許可する関係(並列を含むがこれに限定されない)であることを意味する。例えば、コード配列に作動可能に結合する調節配列は、コード配列に作動可能に結合し、コード配列の発現が調節配列の制御下にある。]
[0073] 「転写コントロール下に」はポリヌクレオチドの配列、通常DNA配列の転写が、転写開始又は転写の促進に貢献する要素に作動可能に結合することにより依存することを意味する。]
[0074] 「翻訳コントロール下に」は、ポリヌクレオチドの配列、通常RNA配列の翻訳が翻訳の開始又は翻訳の促進に貢献する要素に作動可能に結合することにより依存することを意味する。]
[0075] 「シグナル配列」はタンパク質のN末端の一部に結合するアミノ酸配列を意味し、細胞外へのタンパク質の分泌を手助けする。細胞外タンパク質の成熟型は分泌過程で切断されるシグナル配列を欠損している。]
[0076] 本明細書にて用いる「生物学的活性な」は、酵素活性のような特定の生物学的活性を有する配列をいう。本発明のアミラーゼの場合、活性はアルファ‐アミラーゼ活性である。]
[0077] 「水の硬度」とは、水中に存在する鉱物(例えば、カルシウム及びマグネシウム)の評価である。]
[0078] 「糖化」はグルコースへのデンプンの酵素的転換をいう。]
[0079] 「ゼラチン化」はクッキングによりデンプン分子の可溶化を意味し、粘性懸濁液となる。]
[0080] 「液化」はゼラチン化デンプンが加水分解され低い分子量の可溶化デキストリンとなる時のデンプン転換段階をいう。]
[0081] 用語「重合度(DP)」は所定のサッカライドにおけるアンヒドログルコピラノース単位の数(n)をいう。DP1の例は、グルコース及びフルクトースのようなモノサッカライドである。DP2の例は、マルトース及びスクロースのようなジサッカライドである、DP3>は3より大きい重合度を有するポリマーを示す。]
[0082] デンプン転換に関して、用語「最終産物」又は「所望の最終産物」はデンプン基質から酵素的に転換される特定の炭素供給源由来分子いう。]
[0083] 本明細書にて用いる用語「乾燥固体容量(ds)」は乾燥重量%表すスラリー中の全体固体をいう。]
[0084] 用語「スラリー」は不溶性固体を含む水溶性混合物をいう。]
[0085] 用語「残留デンプン」は発酵又は基質を含むデンプンの酵素的加水分解後組成物に残されたデンプン(可溶又は不溶)をいう。]
[0086] 本明細書にて用いる「再循環段階」はマッシュ成分の再循環をいい、残留デンプン、酵素及び/又はデンプンを含む基質を発酵する微生物を含む。]
[0087] 用語「マッシュ」はアルコールのような発酵産物を生産するために用いる発酵炭素源(炭水化物)を含む水溶性の混合物をいう。用語「ビ−ル(beer)」及び「マッシュ(mash)」は互換可能に用いる。]
[0088] 用語「蒸留残液(stillage)」は非発酵性固体及び水の混合物を意味し、発酵マッシュからアルコールを除去した後の残渣である。]
[0089] 用語「乾燥した蒸留穀物残渣(Distillers Dried Grains)(DDG)」及び可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(Distillers Dried Grain plus Solubles)(DDGS)は穀物発酵の有用な副産物をいう。]
[0090] 本明細書にて用いる「エタノール生産微生物(ethanologenic microorganisms)」は糖又はオリゴサッカライドをエタノールへ転換する能力を有する微生物をいう。エタノール生産微生物は一以上の酵素を発現する能力によりエタノールを生産し、別個に又は共に糖をエタノールへ転換する。]
[0091] 本明細書にて用いる用語「エタノール生産するもの」又は「エタノール生産微生物」はヘキソース又はペントースからエタノールを生産することができる任意の微生物又は細胞をいう。一般的にエタノール生産細胞はアルコール脱水酵素及びピルビン酸デカルボキシラーゼを含む。エタノール生産微生物の例は酵母のような真菌微生物を含む。好ましい酵母はサッカロミセス(Saccharomyces)の菌株を含み、特にサッカロミセス セレビジアエ(S. cerevisiae)を含む。]
[0092] アミラーゼ酵素及びその基質に関して、用語「接触する」は酵素が基質を最終産物に転換できるように基質に十分に接近する状態に各酵素を配置することをいう。接触は混合を含んでよい。]
[0093] 用語「由来する(derived)」は文脈次第で「から得られる(originated from)」、「に基づく(based on)」、「から得られる(obtained from)」、又は「から得られる(obtainable from)」及び「から単離される(isolated from)」を意味する。]
[0094] 用語「酵素転換」は一般的に酵素作用(例えば、アミラーゼ)による基質(例えば、デンプン)の修飾をいう。]
[0095] 本明細書にて用いる用語「特異的活性」は、特定の条件下に単位時間当たり酵素調製物によって産物に転換される基質のモル数をいう。特異的活性は単位(U)/タンパク質のmgとして表わされる。]
[0096] 用語「収率」は方法により生産される最終産物又は所望の最終産物の量をいい、例えば濃度、体積、量、又は出発原料の割合で表される。]
[0097] 「ATCC」はマナッサス、Va、20108に位置するアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)をいう。]
[0098] 「NRRL」はアグリカルチャー・リサーチ・サービス・カルチャー・コレクション、ナショナルセンター・フォー・アグリカルチャー・ユーティリゼーション・リサーチ(以前はUSDAノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリーとして知られる)ピオリア、Illをいう。]
[0099] 数字範囲は範囲を規定する数字すべてを含む。]
[0100] 一般的に、見出しは、説明であり、限定するものとして意味しない。]
[0101] 1.2略語
特に断りの無い限り次の略語を適用する。
AEアルコールエトキシレート(alcohol ethoxylate)
AEO アルコール エトキシレート(alcohol ethoxylate)
AEOS アルコールエトキシ硫酸塩(alcohol ethoxysulfate)
AES アルコール エトキシ硫酸塩(alcohol ethoxysulfate)
AFAU酸性菌類アルファ‐アミラーゼユニット(acid fungal α−amylase units)
AGUグルコアミラーゼ活性単位(glucoamylase activity unit)
AOSアルファ‐オレフィンスルホン酸塩(α‐olefinsulfonate)
AS アルコール硫酸塩(alcohol sulfate)
BAAバシルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アルファ‐アミラーゼ
BLA バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)(又はLAT)
BSAウシ血清アルブミン(bovine serum albumin)
cDNA相補的DNA(complementary DNA)
CMCカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)
DNAデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)
DP3 3つのサブユニットを有する重合度(degree of polymerization with three subunits)
DPn n個のサブユニットを有する重合度(degree of polymerization with n subunits)
DTMPAジエチレントリアミンペンタ酢酸(diethyltriaminepentaacetic acid)
EC酵素委員会(enzyme commission for enzyme classification)
EDTAエチレンジアミンテトラ酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid)
EOエチレンオキシド(ethylene oxide)
F&HC 繊維及び家庭用ケア(fabric & household care)
FAU 菌アルファ‐アミラーゼ単位(fungal amylase unit)
GAグルコアミラーゼ(glucoamylase)
gpg 1ガロン当たりのグレイン(grains per gallon)
HFCS高フルクトーストウモロコシシロップ(high fructose corn syrup)
HFSS 高フルクトースデンプンベースシロップ(high fructose starch based syrup)
IPTGイソプロピルベータ‐D‐1‐チオガラクトシド(isopropyl β‐D‐thiogalactoside)
LASリニアアルキルベンゼンスルホン酸塩(linear alkylbenzenesulfonate)
LOMラウンダー‐O‐メーター(Launder−O−meter)
LU リクイフオン単位(Liquiphon Units)
MW分子量(molecular weight)
MWU修飾ウォールゲムート(Wohlgemuth)単位
NOBSノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(nonanoyloxybenzenesulfonate)
NTAニトリロ三酢酸(nitrilotriacetic acid)
PCRポリメラーゼチェーン反応(polymerase chain reaction)
PEGポリエチレングリコール(polyethyleneglycol)
PVAポリ(ビニルアルコール)(poly(vinyl alcohol))
PVP ポリ(ビニルピロリドン)(poly(vinylpyrrolidone))
RNAリボ核酸(ribonucleic acid)
SAS第二級アルカンスルホン酸塩(secondary alkane sulfonates)
TAEDテトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetylethylenediamine)
TCAトリクロロ酢酸(trichloroacetic acid)
TSBトリプティックソイブロス(tryptic soy broth)
UFC限外ろ過濃縮(ultrafiltration concentrate)
w/v 質量/体積(weight/volume)
w/w 質量/質量(weight/weight)
wt野生型(wild−type)]
[0102] 1.3命名法
本明細書及び特許請求の範囲において、従来のアミノ酸残基用の1文字及び3文字コードを用いる。見やすいように、本発明の組成物及び方法のアルファ‐アミラーゼ変異体は次の命名法を用いて記載する。
原型のアミノ酸:位置:置換されるアミノ酸]
[0103] この命名法に従って、例えば242位のアラニンによるセリンの置換を次のように示し、
Ser242Ala又はS242A
30位でのアラニンの欠失を次のように示し、
Ala30*又はA30*又はΔA30]
[0104] 及びリジンのような追加するアミノ酸残基の挿入を次のように示す
Ala30AlaLys又はA30AK。]
[0105] アミノ酸残基30−33のようなアミノ酸残基の連続欠失を(30-33)*又はΔ(A30-N33)又はΔ30-33のように示す。アミノ酸残基R18O-S181のような二つの連続するアミノ酸の欠失をΔRS又はΔ18O-181のように示す。]
[0106] 特別なアルファ‐アミラーゼが他のアルファ‐アミラーゼと比較して「欠失」を含み、そのような位置に挿入される場合次のように示す
例えば36位にアスパラギン酸を挿入する場合
*36Asp又は*36D。]
[0107] 複数の変異はプラス記号によって分離され、即ち、
Ala30Asp+Glu34Ser又はA30N+E34S
であり、30及び34位にてそれぞれアラニン及びグルタミン酸をアスパラギン及びセリンへ置換する変異を表す。]
[0108] 一以上の別のアミノ酸残基が与えられる位置に挿入される場合それは次のように示す
A30N,E又は
A30N又はA30E。]
[0109] さらに、修飾に有用な位置が任意の具体的修飾が示唆されずに本明細書にて同定される場合、任意のアミノ酸残基がその位置に存在するそのアミノ酸残基のかわりに置換されてよいことが理解される。すなわち、例えば、これに特定されないが、30位でアラニンの修飾が意図される場合、アラニンが欠失又は他のアミノ酸、即ち、
R, N, D, A, C, Q, E, G, H, I, L, K, M, F, P, S, T, W, Y, V
のいずれかひとつに置換されてよいことが理解される。]
[0110] さらに、「A30X」は次の置換のいずれか一つを意味する
A30R, A30N, A30D, A30C, A30Q, A30E, A30G, A30H, A30I, A30L, A30K, A30M, A30F, A30P, A30S, A30T, A30W, A30Y,又はA30V;]
[0111] 又は略した場合、A30R,N,D,C,Q,E,G,H,I,L,K,M,F,P,S,T,W,Y,Vとなる。]
[0112] 親酵素が、ナンバリングのために用られ、その位置での置換を示唆される問題のアミノ酸残基をすでに有する場合、次の命名法を用いる
例えば、N又はVのひとつが野生型に存在する場合
「X30N」又は「X30N,V」
つまり、親酵素に相当する他のものは30位にて「Asn」又は「Val」に置換される。]
[0113] 1.4アミノ酸残基の特徴
荷電アミノ酸、
Asp, Glu, Arg, Lys, His]
[0114] 負の電荷を持つアミノ酸(最も負に帯電している残基が最初に来る)
Asp, Glu]
[0115] 正の電荷を持つアミノ酸(最も正に帯電している残基が最初に来る)
Arg, Lys, His]
[0116] 中性アミノ酸
Gly, Ala, Val, Leu, Ile, Phe, Tyr, Trp, Met, Cys, Asn, Gln, Ser, Thr, Pro]
[0117] 疎水性アミノ酸残基(最も疎水性が高い残基を最後に記載する)
Gly, Ala, Val, Pro, Met, Leu, Ile, Tyr, Phe, Trp]
[0118] 親水性アミノ酸残基(最も親水性が高い残基を最後に記載する)
Thr, Ser, Cys, Gln, Asn]
[0119] 1.5相同性(同一性)
整列後に別の配列に対して特定のパーセント(例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%さえ)の配列相同性を有するポリヌクレオチド又はポリペプチドは塩基又はアミノ酸残基の割合が二つの配列を比較して同じである。このアライメント及びパーセント相同性又は同一性は周知の任意の適切なソフトウエアプログラムを用いて決定できる。例えばCURRENTPROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel他、(eds) 1987, Supplement 30, section 7.7.18)に記載される。好ましいプログラムはthe Vector NTI Advance(商標) 9.0 (Invitrogen Corp. Carlsbad, CA)、GCG Pileup program,FASTA (Pearson 他 (1988) Proc. Natl, Acad. Sci USA 85:2444-2448)、及びBLAST(BLAST Manual, Altschul 他, Natl Cent. Biotechnol. Inf., Natl Lib. Med. (NCIBNLM NIH), Bethesda, Md.及びAltschul他, (1997) Nuc.Acid Res. 25:3389-3402)を含む。他の好ましいアライメントプログラムはALIGN Plus (Scientific and Educational Software, PA)であり、好ましくはデフォルトパラメータを用いる。使用に適した別の配列ソフトウエアプログラムはthe Sequence Software Package Version 6.0(Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, WI)で入手できるTFASTA Data Searching Programである。]
[0120] 相同性は第二から第一配列の導出を示す二つの配列間の相同性割合として決定されてよい。相同性はGCGプログラムパッケージ(上述)が提供するGAPのような周知のコンピュータープログラム手段により適切に決定されてよい。つまり、Gap GCG v8は相同性用デフォルトスコアリングマトリックス及び次のデフォルトパラメータを用いてよい。それは、核酸配列比較のためにそれぞれ5.0のGAPクリエーションペナルティー及び0.3のエクステンションペナルティー及びタンパク質配列比較のためにそれぞれ3.0のGAPクリエーションペナルティー及び0.1のエクステンションペナルティーである。アライメントを作り、相同性を計算するためにGAPはNeedleman and Wunsch, J.Mol. Biol. 48:443-453 (1970)の方法を用いる。]
[0121] AmyTS23(配列番号1)及び例えば、別のアルファ‐アミラーゼの間の構造アライメントはAmyTS23と高い相同性、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、96%、97%、98%、又は99%さえも有する他のアルファ‐アミラーゼにおける同等/相当の位置を同定するために用いてよい。前記構造アライメントを得る一つの方法はギャップペナルティーのデフォルト値、即ち、3.0のギャップクリエーションペナルティー及び0.1のギャップエクステンションペナルティーを用いるGCGパッケージからのPile Upプログラムを用いることである。他の構造アライメント方法は疎水性クラスター分析(Gaboriaud他, FEBSLett. 224, pp.149-155 (1987))及びリバーススリーディング(reverse threading)(Huber, T; Torda,AE, PROTEIN SCIENCE Vol. 7, No.1 pp. 142-149 (1998))を含む。]
[0122] 1.6ハイブリダイゼーション
上記AmyTS23の特徴を用いたオリゴヌクレオチドプローブは問題とするアルファ‐アミラーゼの完全又は部分的ヌクレオチド又はアミノ酸配列の基礎として適切に調製される。]
[0123] ハイブリダイゼーションを試験するために適した条件は5XSSCに予浸及び20%ホルムアミド、5Xデンハート液(Denhardt`s solution)、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、及び50mgの変性超音波処理仔牛胸腺DNA溶液に40℃にて1時間予ハイブリダイゼーションを行い、引き続き、100mMATPを補給した同様の溶液に40℃にて18時間ハイブリダイゼーションをし、それから2XSSC、0.2%SDS中40℃で30分間(低いストリンジェンシー)好ましくは50℃(中程度のストリンジェンシー)で、より好ましくは65℃(高いストリンジェンシー)でさらに好ましくは75℃(より高いストリンジェンシー)で三回のフィルター洗浄を行う。より詳しいハイブリダイゼーション方法についてはSambrook他、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring がHarbor, 1989に記載される。]
[0124] 本明細書において、「から由来する」は該当生物の菌株により生産された、もしくは生産され得るアルファ‐アミラーゼを示すだけでなく、そのような菌株から単離されるDNA配列によってコードされるアルファ‐アミラーゼ及び前記DNA配列で形質転換される宿主生物中に生産されるアルファ‐アミラーゼも示すように用いられる。最後に、その用語は合成の及び/又はcDNA由来のDNA配列によりコードされ、該当アルファ‐アミラーゼとして同定される特徴を有しているアルファ‐アミラーゼ示すように用いられる。また、その用語は親アルファ‐アミラーゼが自然に発生するアルファ‐アミラーゼの変異体、即ち、自然に発生するアルファ‐アミラーゼのアミノ酸残基の一以上の修飾(挿入、置換、欠失)の結果である変異体を示すこともある。]
[0125] また、本発明の組成物及び方法により含まれる配列が、例示するamyTS23配列(例えば、図4に示す配列番号4)を伴うストリンジェントハイブリダイゼーション条件下にハイブリダイゼーションする能力によって明らかとなることを当業者は理解できる。核酸の一本鎖の形態が温度及びイオン強度の溶液の適切な条件下に他の核酸にアニールできる場合、核酸は別の核酸配列とハイブリダイゼーションできる。ハイブリダイゼーション及び洗浄条件は周知である(例えば、Sambrook(1989)上述、特に9章及び11章を参照願いたい)。いくつかの実施態様においては、ストリンジェントな条件は65℃のTm及び0.1xSSC、0.1%SDSに相当する。] 図4
[0126] 1.7 親アルファ‐アミラーゼ
本明細書によれば、任意のAmyTS23アルファ‐アミラーゼは、上記に明らかにするように、親(即ち、バックボーン)アルファ‐アミラーゼとして用いてよい。好ましい実施態様においては、親アルファ‐アミラーゼは、例えば、上記に参照されるものの一つ、配列番号1(図1参照)に示すアミノ酸配列を有するTS‐23アルファ‐アミラーゼのようなバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23の由来である。] 図1
[0127] 1.8改変される特性
次のセクションは本明細書にて記載する変異体アミラーゼ中に存在する変異及びそれらから得られる特徴(親TS‐23アルファ‐アミラーゼの特徴と相対的に)についての所望の改変との関係を記載する。本発明の組成物及び方法により含まれる変異体を本明細書を通して詳しく記載し、次のパラグラフにて単にまとめるにすぎない。]
[0128] 上述のように、本発明の組成物及び方法の態様はバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23由来及び由来できるアルファ‐アミラーゼに関連し、親アミラーゼに比較して改変される特性を有するその変異体/ミュータントを含む。親アミラーゼは上述の親TS‐23アルファ‐アミラーゼ及び成熟ポリペプチドのアミノ酸配列のような、TS‐23アルファ‐アミラーゼの少なくとも一部を含むハイブリッド又はキメラアミラーゼである。]
[0129] バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ(配列番号1)が変異体アミラーゼを検討するための開始点として用いられる一方、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼに高い度合いで相同性を有する他のバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼが本発明の組成物及び方法の範囲を逸脱せずに親アミラーゼとして役立つと理解できる。これは本明細書に記載の対象であって、置換、欠失、又は挿入を含まないバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼに比較して非常にわずかな配列の違いを含む他の自然的に発生するバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼに特にあてはまる。]
[0130] 本発明の組成物及び方法の最初の実施態様においては、親バシルス種(Bacillus sp.)菌株アルファ‐アミラーゼの変異体を提供し、変異体は以下の改変を少なくとも二つ含む。
(a)C末端の欠失、
(b)配列番号1のナンバリングを用いてアミノ酸201(即ち、M201)の置換、又は
(c)R180、Sl81、T182及びG183からなる群から選択される少なくとも二つの残基の欠失。ここでアミノ酸残基のナンバリングは配列番号1をいう。
いくつかの実施態様においては、改変は(a)及び(b)を含む。他の実施態様においては、改変は(a)及び(c)を含む。幾つかの実施態様においては、さらに、変異体は残基87、残基225、残基272、及び残基282からなる群から選択される残基の一以上にて置換を含んでよい。好ましくは、変異体アミラーゼはアルファ‐アミラーゼ活性を有する。特定の改変が明確化されることを除いて、変異体の他の維持されるアミノ酸配列は配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列相同性を有してよい。]
[0131] 関連する態様において、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体を提供し、ここで変異体は親アルファ‐アミラーゼに対して少なくとも85%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、C末端欠失を有する。変異体は配列番号2のアミノ酸配列でもよい。変異体は親アミラーゼに比較して冷水中デンプン基質に対して増加される洗浄活性を有してよい。]
[0132] いくつかの実施態様においては、C末端の欠失を含む変異体はさらにR180及びS181(配列番号1のアミノ酸配列をいう)の位置での残基の欠失を含んでよい。得られる変異体は親アミラーゼに比較して増加する洗剤安定性を有してよい。]
[0133] いくつかの実施態様においては、C末端の欠失を含む変異体は、さらに201位(再度、配列番号1のアミノ酸配列をいう)での残基の置換を含んでよい。得られる変異体は親アミラーゼに比較して増加する酸化安定性を有してよい。]
[0134] いくつかの実施態様においては、任意の前述の変異体は、さらに残基87、残基225、残基272、及び残基282からなる群から選択される残基の一以上での置換を含んでよい。]
[0135] 1.8.1 安定性
本明細書にて記載する変異体の文脈において、改変される安定性(即ち、より高い又はより低い安定性)、特に、安定性の改善、特に高い温度(即ち、70−120℃)及び/又は極端なpH(即ち、低い又は高いpH、即ち、それぞれpH4−6又はpH8−11)、特に、60ppm以下の遊離(即ち、溶液中のその非結合)カルシウム濃度での安定性を達成することについて重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、「改変される特性」セクションに記載される変異のいずれかを含む。安定性は下記の「方法」のセクションにて記載されるように決定されてよい。]
[0136] 1.8.2 Ca2+安定性
改変されるCa2+安定性はCa2+減少下に酵素の安定性が改善される、即ち、高い又はより低い安定性を意味する。本明細書に記載する変異体の文脈において、改変されるCa2+安定性、特に、Ca2+安定性の改善、即ちより高い又はより低い安定性、特に、高いpH(即ち、pH8−10.5)の安定性を達成することについて重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、「改変される特性」セクションに記載される変異のいずれかを含む。]
[0137] 1.8.3特異的活性
さらなる実施態様においては、改変される特異的活性、特に特異的活性の増減、特に、10から60℃までの温度、好ましくは20から50℃、特に30から40℃の温度で特異的活性を有する変異体を得ることに関して重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、「改変される特徴」セクションに記載される変異のいずれかを含む。特異的活性は下記の「方法」のセクションにて記載されるように決定されてよい。]
[0138] 1.8.4酸化安定性
本明細書にて記載される変異体は、親アルファ‐アミラーゼと比較して、改変される酸化安定性、特に高い酸化安定性を有してよい。増加される酸化安定性は例えば、洗剤組成物において有利であり、減少される酸化安定性はデンプン液化用組成物において有利である。酸化安定性は下記の「方法」のセクションにて記載されるように決定されてよい。]
[0139] 1.8.5改変されるpHプロファイル
改変されるpHプロファイル、特に高いpH(即ち、pH8−10.5)又は低いpH(即ち、pH4−6)で活性を改善されるプロファイルを有する重要な位置及び変異は活性部位残基のそばに位置するアミノ酸残基の変異を含む。]
[0140] 好ましい具体的変異/置換は問題とする位置について「改変される特性」セクションにおいて上述したもののひとつである。適切な試験は下記の「方法」のセクションにて記載される。]
[0141] 1.8.6洗浄能力
改善される洗浄能力、特に高いpH(即ち、pH8.5−11)での洗浄能力を有する変異体を得ることに関して重要な位置及び変異は、該当位置における「改変される特徴」セクションにおいて上述する具体的な変異体/置換を含む。洗浄能力は下記の「方法」のセクションにて記載されるように試験される。]
[0142] 2.アルファ‐アミラーゼ変異体の調製方法
すなわち、ある実施態様は、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼの変異体を生産するために、すでに他の決定されているアミノ酸の置換、欠失、トランスバージョン、挿入、及びそれらの組み合わせを含む組み換え体を創るバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ配列を提供する。これらの変異体はさらに生産増強、pH安定性の増加、温度安定性の増加、Ca2+の要求性の低減、特異的活性の増加、食器洗浄又は洗浄能力の増加、可溶性の増加、保存安定性の増加、又はこれらの組み合わせを有することができる。変異体を遺伝子組み換えで生産する方法は提供される配列及びベクターを用いて実施され、又は他の周知の方法で実施されるであろう。]
[0143] 遺伝子に変異を導入するための幾つかの方法は周知である。アルファ‐アミラーゼコードDNA配列のクローニングの手短な説明の後、アルファ‐アミラーゼコード配列内の具体的な位置にて変異を作成する方法を説明する。]
[0144] 2.1アルファ‐アミラーゼをコードするDNA配列のクローニング
親アルファ‐アミラーゼをコードするDNA配列は、周知の多様な方法を用いて、該当アルファ‐アミラーゼを生産する任意の細胞又は微生物から単離されてよい。まず、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリーは、対象となるアルファ‐アミラーゼを生産する生物由来の染色体DNA又はメッセンジャーRNAを用いて構築される。それから、アルファ‐アミラーゼのアミノ酸配列が知られている場合、該当生物から調製する遺伝子ライブラリーからのアルファ‐アミラーゼコードクローンを同定するために相同体、ラベル化オリゴヌクレオチドプローブを合成して用いる。あるいは、知られているアルファ‐アミラーゼ遺伝子に相同性のある配列を含むラベル化オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイゼーション及び低いストリンジェンシーの洗浄条件を用いて、アルファ‐アミラーゼコードクローンを同定するためのプローブとして用いることができる。]
[0145] アルファ‐アミラーゼコードクローンを同定するためのさらに別の方法はプラスミドのような発現ベクターに遺伝子DNAのフラグメントを挿入し、アルファ‐アミラーゼ陰性細菌を得られる遺伝子DNAライブラリーを用いて形質転換し、及びそれからアルファ‐アミラーゼに対する基質を含む寒天培地の上に形質転換細菌を平板培養し、それによってアルファ‐アミラーゼを発現するクローンを同定できる。]
[0146] あるいは、酵素をコードするDNA配列を例えば、S. L. Beaucage及びM. H. Caruthers (1981)により記載されるフォスフォアミダイト(phosphoamidite)法又はMatthes他 (1984)により記載される方法のような確立した標準方法により合成的に調製してもよい。フォスフォアミダイト(phosphoamidite)法において、オリゴヌクレオチドを例えば、自動DNA合成機で合成し、精製し、アニーリングし、ライゲーションし、及び適切なベクターへクローニングする。]
[0147] 最後にDNA配列は、標準的な方法に従って、合成フラグメント、遺伝子、又はcDNA原型(必要に応じて、完全なDNA配列の多様な一部に相当するフラグメント)をライゲーションにより調製される遺伝子及び合成の原型の混合、合成の及びcDNAの原型の混合又は遺伝子及びcDNA原型の混合でよい。また、DNA配列を例えば、米国特許第4,683,202又はR. K. Saiki他 (1988)に記載されるように、特異的なプローブを用いるポリメラーゼチェーン反応(PCR)により調製してよい。]
[0148] 2.2部位特異的突然変異誘発法
一度アルファ‐アミラーゼコードDNA配列を単離し、変異のための必要な部位を同定すると、変異を合成オリゴヌクレオチドを用いて導入してよい。これらのオリゴヌクレオチドは必要な変異部位を攻撃するヌクレオチド配列を含む。すなわち、オリゴヌクレオチドを合成する間に変異ヌクレオチドを挿入する。具体的方法において、アルファ‐アミラーゼコード配列をブリッジングするDNAの一本鎖ギャップをアルファ‐アミラーゼ遺伝子を保持するベクター中に創製する。それから、所望の変異を有する合成ヌクレオチドを一本鎖DNAの相同性のある部分にアニーリングする。それから、残されるギャップをDNAポリメラーゼI(クレノウ断片(Klenow fragment))で満たし、構築体をT4リガーゼを用いてライゲーションする。Morinaga他 (1984)米国特許第4,760,025に記載のこの方法の具体例は、カセットのマイナー改変を実施することにより多数の変異をコードするオリゴヌクレオチドの導入を開示する。しかしながら、多数の、種々の長さのオリゴヌクレオチドが導入できるので、多くの変異でさえもMorinagaの方法によって一度で導入できる。]
[0149] アルファ‐アミラーゼコードDNA配列に変異を導入する別の方法がNelson及びLong (1989)に記載される。それはPCR反応におけるプライマーの一つとして化学的に合成されるDNA鎖を用いることによって導入される所望の変異を含むPCRフラグメントの3段階の生成を含む。PCR生成フラグメントから変異を有するDNAフラグメントを制限エンドヌクレアーゼの切断により単離し、発現プラスミドへ再挿入してよい。]
[0150] 変異体を提供する別の方法は、例えばWO 95/22625(Affymax Technologies N. V.から)又はWO 96/00343(Novo Nordisk A/Sから)に記載のように、遺伝子シャッフリング、又は該当変異例えば、置換及び/又は欠失を含むハイブリッド酵素を得る他の相当する方法を含む。]
[0151] 2.3アルファ‐アミラーゼ変異体の発現
上述する方法により又は任意の別の周知の方法により生産する変異体をコードするDNA配列をプロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び任意の抑制遺伝子又は種々の活性遺伝子をコードする制御配列を任意に含む発現ベクターを用いて、変異体アミラーゼ(即ち酵素)を発現できる。]
[0152] アルファ‐アミラーゼ変異体をコードするDNA配列を保持する組み換え発現ベクターは、便宜的に組み換えDNA手法の施される任意のベクターでよく、ベクターの選択は、しばしば、それが導入される宿主細胞で決まる。つまり、ベクターは自律的に複製するベクターでもよく、即ち、染色体外に存在するベクターでもよく、その複製はプラスミド、バクテリオファージ、又は染色体外因子、小染色体、又は人工染色体のような染色体複製から独立した複製であるものでもよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入される場合、宿主細胞染色体に組み込まれ、及び組み込まれてしまった染色体とともに複製されるベクターでもよい。]
[0153] ベクターにおいて、DNA配列は適切なプロモーター配列に作動可能に結合する。プロモーターは選択された宿主細胞での転写活性を示す任意のDNA配列でよく、宿主細胞に相同のまたは異種のいずれかであるタンパク質をコードする遺伝子由来でもよい。本発明の組成物及び方法のアルファ‐アミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を方向付ける適切なプロモーターの例は、特に細菌の宿主において、大腸菌(E. coli)のlacオペロンのプロモーター、ストレプトミセスセリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子dagAプロモーター、バシルスリチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)アルファ‐アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、ゲオバシルスステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)麦芽アミラーゼ(maltogenic amylase)遺伝子(amyM)のプロモーター、バシルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アルファ‐アミラーゼ(amyQ)のプロモーター、バシルスズブチリス(Bacillus subtilis)xylA及びxylB遺伝子のプロモーター等である。菌類の宿主における転写のために、有用なプロモーターの例は、アスペルギルスオリザエ(A. oryzae)TAKAアミラーゼ、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)、アスパラギン酸プロティナーゼ、アスペルギルスニガー(A. niger)中性アルファ‐アミラーゼ、アスペルギルス ニガー(A. niger)酸安定アルファ‐アミラーゼ、アスペルギルス ニガー(A. niger)グルコアミラーゼ、リゾムコール ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アスペルギルス オリザエ(A. oryzae)アルカリプロテアーゼ、アスペルギルス オリザエ(A. oryzae)トリオースリン酸イソメラーゼ又はアスペルギルス ニドゥラン(A. nidulans)アセタミダーゼをコードする遺伝子由来のプロモーターである。]
[0154] 発現ベクターはまた、適切な転写ターミネーター及び、真核生物において、本発明の組成物及び方法のアルファ‐アミラーゼの変異体をコードするDNA配列に作動可能に結合するポリアデニル化配列を含んでもよい。ターミネーション及びポリアデニル化配列はプロモーターとして同じ供給源から適切に由来してもよい。]
[0155] さらに、ベクターは問題とする宿主細胞でベクターが複製可能なDNA配列を含んでもよい。そのような配列の例は、プラスミドpUC19、pACYC177、pUB110、pE194、pAMB1、及びpIJ702の複製の原型である。]
[0156] また、ベクターは、選択マーカーを含んでもよい。例えば、バシルスズブチリス(B. subtilis)又はバシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)由来dal遺伝子のような、宿主細胞中の欠点を補完する遺伝子産物、又は例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性のような抗生物質耐性を有する遺伝子である。さらに、ベクターは、amdS、argB、niaD、及びsCのようなアスペルギルス(Aspergillus)選択マーカー、ハイグロマイシン耐性を増加するマーカー、又は例えば、WO 91/17243に記載のような同時形質転換によって行われる選択マーカーを含んでよい。]
[0157] 例えば、ある細菌又は菌類を宿主細胞として用いる場合、細胞内発現が幾つかの点で有利であるが、一般的に発現は細胞外であることが好ましい。一般的に本明細書にて記載するバシルス(Bacillus)アルファ‐アミラーゼは、培地への発現酵素の分泌を可能とするプレ領域を含む。必要ならば、このプレ領域を、異なるプレ領域又は個別のプレ領域をコードするDNA配列の置換によって便利に行われるシグナル配列により置換してもよい。]
[0158] 本明細書に記載のアルファ‐アミラーゼ変異体、プロモーター、ターミネーター、及び他の要素をそれぞれコードするDNA構築体をライゲーションし、複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するために用いる方法は当業者によく知られている(例えば、Sambrook他、 MOLECULAR CLONING: A LABORATORYMANUAL、 2nd ed., Cold Spring Harbor, 1989を参照)。]
[0159] DNA構築体又は発現ベクターのいずれかを含む細胞は、アルファ‐アミラーゼ変異体の組み換えの生産での宿主細胞として有効に用いられる。宿主染色体にDNA構築体(一以上のコピー)を都合よく組み込むことにより、細胞は、変異体をコードする本発明の組成物及び方法のDNA構築体で形質転換される。DNA配列が細胞で安定的に維持される可能性が高いので、この組み込みは有利であると一般的に考えられる。宿主染色体へのDNA構築体の組み込みは、例えば、相同の又は異種の組み換えによる、従来の方法により行われる。あるいは、細胞は、宿主細胞の異なる型では上述のように発現ベクターで形質転換されてもよい。細胞は哺乳動物又は昆虫のような高等生物の細胞でもよく、しかし、好ましくは微生物細胞、例えば細菌又は真菌類(酵母を含む)細胞である。]
[0160] 適切な細菌微生物の例は、グラム陽性菌であって、例えば、バシルスズブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシルスレンツス(Bacillus lentus)、バシルスブレビス(Bacillus brevis)、ゲオバシルスステアロテルモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)、バシルスアルカロフィリス(Bacillus alkalophilus)、バシルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシルスコアグランス(Bacillus coagulans)、バシルスサーキュランス(Bacillus circulans)、バシルスランツス(Bacillus lautus)、バシルスメガテリウム(Bacillus megaterium)、及び バシルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はストレプトミセスリビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス ムリナス(Streptomyces murinus)あるいは、グラム陰性菌であって、例えば、大腸菌(E. coli)である。例えば、細菌の形質転換はプロトプラスト形質転換により、又はそれ自体周知の方法であるコンピテント細胞を用いることにより達成される。]
[0161] 好ましい酵母生物を例えばサッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のようなサッカロミセス(Saccharomyces)又はシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)の種から選択してよい。糸状菌は、例えば、アスペルギルスオリザエ(A.oryzae)又はアスペルギルスニガー(A. niger)のようなアスペルギルス(Aspergillus)の種に有利に属してよい。菌細胞をプロトプラスト形成及びそれ自体知られている方法の細胞壁の再生を伴うプロトプラストの形質転換を含むプロセスにより形質転換してよい。アスペルギルス(Aspergillus)宿主細胞の形質転換にかかる適切な方法は、例えば、EP238023の記載を含む。]
[0162] さらなる実施態様においては、アルファ‐アミラーゼ変異体を生産する方法は、変異体の生産をもたらす条件下、上述のように、宿主細胞を培養すること及び細胞及び/又は培養培地から変異体を回収する方法を含んでいる。]
[0163] 細胞を培養のために用いる培地は、アルファ‐アミラーゼ変異体の発現が得られ、問題となる宿主細胞の成長に適した任意の従来の培地でよい。適切な培地は業者から入手可能であり、又は出版された手順(例えば、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)のカタログに記載のように)に従って調製してもよい。]
[0164] 宿主細胞から分泌されるアルファ‐アミラーゼ変異体は周知の方法により、培養培地から便利に回収されてよく、遠心分離又はろ過によって培地から細胞を分離すること、及び硫酸アンモニウムのような塩を用いて培地のタンパク質成分を沈殿させ、引き続き、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等のようなクロマトグラフィーの方法を用いて分離することを含む。]
[0165] 3.産業用利用
本明細書に記載のアルファ‐アミラーゼ変異体は多様な産業上利用できる有益な特性を有する。特に、酵素変異体は洗浄、食器洗浄、及び固い表面用洗浄洗剤組成物における成分として利用できる。]
[0166] 改変される特性を有する一以上の変異体はデンプンプロセスのために用いてよく、特にデンプン転換であって、特にデンプンの液化(例えば、米国特許第3,912,590、EP 特許出願番号 252 730及び63 909、WO 99/19467、及び WO 96/28567を参照願いたい。すべての引用文献はそれらの全体を参照によりとりこまれる)に用いてよい。また、デンプン転換目的の組成物も考えられ、本発明の組成物及び方法の変異体はさらにグルコアミラーゼ、プルラナーゼ、及び他のアルファ‐アミラーゼを含んでよい。]
[0167] さらに、一以上の変異体は特に甘味料及び例えばデンプン又は全粒穀物からの燃料、飲料、及び工業用エタノールのようなエタノール(例えば、米国特許第 5,231,017を参照願いたく、参照によりその全体を本明細書に取り込む)の生産にも有用である。]
[0168] また、本明細書に記載の変異体は織物、布地、及び衣類(例えば、WO 95/21247、米国特許第4,643,736、及びEP 119,920を参照願いたく、参照により全体が本明細書に取り込まれる)の湯通し、ビール製造又は醸造、パルプ及び紙の生産において有用である。]
[0169] 3.1デンプン転換
液化及び糖化プロセスのような従来のデンプン転換プロセスは例えば、米国特許第3,912,590及びEP patent publications Nos.252,730と63,909に記載され、参照により全体が本明細書に取り込まれる。]
[0170] 実施態様においては、デンプンを糖又は脂肪代替物のような小さい分子量炭水化物成分へ分解するデンプン転換プロセスは脱分岐段階を含む。]
[0171] 3.2デンプンから糖への転換
デンプンの糖への転換の場合、デンプンは脱重合される。そのような脱重合プロセスは前処理段階及び2又は3の連続プロセス段階、つまり液化プロセス、糖化プロセス、及び所望の最終産物次第で、任意に異性化プロセスからなる。]
[0172] 3.3生デンプンの前処理
生デンプンは微粒子からなり室温にて水に不溶性である。水溶性デンプンスラリーを温めた場合、粒子は膨張し、最終的に破裂し、デンプン分子が溶液中に分散する。この「ゼラチン化」プロセスの間、粘度の劇的な増加がある。一般的な工業用プロセスにおいて固体レベルが30‐40%なので、デンプンが処理できるようにデンプンは薄くされ又は「液化」されなければならない。この粘度の低減は今日大半が酵素的分解によって得られる。]
[0173] 3.4液化
液化段階の間、長鎖デンプンはアルファ‐アミラーゼにより分岐及び直鎖の短い単位(マルトデキストリン)へ分解される。液化プロセスを105‐から110℃にて5から10分実施し、続いて95℃にて1‐2時間実施する。pHは5.5と6.2の間にある。これらの条件下最適酵素安定性を確保するために、1mMのカルシウムを添加(40ppm遊離カルシウムイオン)する。この処理後、液化デンプンは10‐15の「デキストロース等量」(DE)を有する。]
[0174] 3.5糖化
液化プロセス後、マルトデキストリンはグルコアミラーゼ(例、OPTIDEX(商標) L−400)及びイソアミラーゼ(米国特許第4,335,208)又はプルラナーゼのような脱分岐酵素の添加によりデキストロースへ転換する。この段階の前に、pHは約4.5以下の値に下げられ、高温(95℃以上)に維持され、液化アルファ‐アミラーゼ活性を不活化し、脱分岐酵素によって的確に加水分解されない「パノース前駆体(panose precursors)」と呼ばれる短いオリゴサッカロイドの形成を低減する。]
[0175] 温度を60℃に下げ、グルコアミラーゼ及び脱分岐酵素を加える。糖化プロセスは24時間から72時間で行う。]
[0176] 通常、液化段階後アルファ‐アミラーゼ変性する場合、約0.2‐0.5%の糖化産物は分岐トリサッカライド、Glcpαl‐6Glcpαl‐4Glc(パノース(panose))であり、プルラナーゼにより分解されない。もし、活性ならば、液化段階からアミラーゼは糖化の間存在し(即ち、変性しない)、このレベルは1‐2%高くでき、これはかなり好ましくなく、糖化収率が著しく低下する。]
[0177] 3.6異性化
所望の最終糖生産物が、例えば高フルクトースシロップである場合、デキストロースシロップをフルクトースへ転換してよい。糖化プロセスの後、pHを6.0から8.0の範囲の値、好ましくは、pH7.5に上げ、カルシウムをイオン交換により除去する。デキストロースシロップをそれから例えば、固定化グルコースイソメラーゼ(GENSWEET(商標)IGI‐HFのような)を用いてフルクトースシロップに転換する。]
[0178] 3.7エタノール生産
一般的に全粒粉砕穀物からのアルコール生産(エタノール)は4つの主な段階に分かれ、
粉砕、
液化、
糖化、
発酵、
である。]
[0179] 3.7.1粉砕
構造を破壊し、さらなる工程にて処理するために穀物を粉砕する。用いる二つのプロセスは湿式又は乾式粉砕である。乾式粉砕において、全粒を粉砕し、工程の残りの部分に用いる。湿式粉砕は胚芽と粉末(デンプン顆粒及びタンパク質)の非常に良い分離を有し、若干の例外はあるが、シロップの並列プロダクションの領域にて利用する。]
[0180] 3.7.2液化
液化プロセスにおいて、デンプン顆粒はほとんどのDPが4より高いマルトデキストリンへの加水分解により溶解する。加水分解を酸処理により又はアルファ‐アミラーゼによる酵素的に行ってよい。酸性加水分解の利用は比較的限定的である。生原料は粉砕全粒穀物又はデンプンプロセスからの副流でよい。]
[0181] 酵素的液化は一般的に三段階高温スラリープロセスとして実施する。スラリーを60‐95℃の間、好ましくは、80‐85℃に加熱し、酵素を添加する。それからスラリーを95‐140℃の間、好ましくは、105‐125℃にてジェットクック処理し、60‐95℃に冷却し、さらに酵素を添加し、最終加水分解を得る。液化プロセスはpH4.5‐6.5にて、一般的には5と6の間のpHにて実施する。また、粉砕及び液化穀物はマッシュとして知られる。]
[0182] 3.7.3糖化
酵母により代謝される低分子糖DP1−3を生産するために液化からマルトデキストリンをさらに加水分解しなければならない。一般的に加水分解はグルコアミラーゼにより酵素的に行われ、あるいはアルファ‐グルコシダーゼ又は酸性アルファ‐アミラーゼを用いてよい。完全な糖化段階は72時間まで続けてよいが、通常40‐90分間予じめ糖化を行い、それから発酵(SSF)の間に完全な糖化を行う。一般的に糖化を30‐65℃、一般的に約60℃の温度にて、及びpH4.5にて実施する。]
[0183] 3.7.4発酵
一般的にサッカロミセス種(Saccharomyces spp.)由来酵母をマッシュに加え発酵を24‐96時間、例えば一般的に35‐60時間行う。温度は26‐34℃の間、一般的に約32℃にて、pHはpH3から6、好ましくは約pH4‐5である。]
[0184] 最も広く用いられるプロセスは同時糖化発酵(SSF)であり、糖化用のホールド段階を有さず、酵母と酵素を共に添加することを意味する。SSFを実施する場合、発酵直前に50℃以上の温度にて予備糖化段階を導入することは共通する。]
[0185] 3.8蒸留
発酵に続いて、マッシュをエタノールを抽出するために蒸留する。その方法に従って得られるエタノールを例えば、燃料用エタノール、飲料用エタノール、即ち飲料用中性スピリッツ又は工業用エタノールとして用いてよい。]
[0186] 3.9副産物
発酵由来の使い残しは穀物であり、一般的に液体形状又は乾燥形状いずれかで動物用飼料として用いてよい。]
[0187] 液化、糖化、発酵、蒸留、及びエタノールの回収の実施方法について詳細は当業者に周知である。]
[0188] 本明細書に記載のプロセスに従って、糖化及び発酵を同時又は個別に実施してよい。]
[0189] 3.10パルプ及び紙の生産
また、本発明のアルファ‐アミラーゼをデンプン強化廃棄紙及び段ボールからパルプ、紙及び段ボールのようなリグノセルロース性原料の生産に用いてよく、特に再パルプ化がpH7以上にて起こり、アミラーゼが強化デンプンの分解を通して廃棄物の分解に作用する。アルファ‐アミラーゼは特にデンプンコーティング印刷紙から製紙用パルプを生産するためのプロセスに有用である。プロセスをWO 95/14807に記載のように実施してよく、次の、
a)紙を分解し、パルプを生産する段階、
b)a)段階の前、間、後にデンプン分解酵素で処理する段階、及び
c)a)段階とb)段階の後パルプからインク粒子を分離する段階
を含む。]
[0190] また、アルファ‐アミラーゼはデンプン修飾に有用であり、酵素修飾デンプンを炭酸カルシウム、カオリン、及びクレイのようなアルカリ充填剤と一緒に製紙プロセスに用いる。本発明の組成物及び方法のアルファ‐アミラーゼを用いて、充填剤存在下デンプンを修飾できるようになり、より簡単な分解プロセスが可能となる。]
[0191] 3.11織物、布地、及び衣類の湯通し
また、アルファ‐アミラーゼは織物、布地、衣類の湯通しに有用である。織物加工産業においてアルファ‐アミラーゼは伝統的に湯通しプロセスの補助剤として用いられ、機織りの間横糸の保護コーティングとして働くデンプン含有サイズを除く作用がある。機織り後サイズコーティングの完全な除去はその後のプロセスである布地を洗浄、漂白及び染色において最適な結果を確保するために重要である。繊維原料になんら傷をつける影響がないので、酵素的デンプン分解は好ましい。プロセスコストを低減し、粉砕処理能力を増加するために、湯通しプロセスは時々洗浄及び漂白段階を組み合わせる。このような場合、従来のアルファ‐アミラーゼは高いpHレベル及び漂白剤にあまり適していないので、アルカリ剤又は酸化剤のような非酵素的充填剤は、デンプンを分解するために一般的に使用される。デンプンサイズの非酵素的分解は繊維の傷みを招く。なぜならかなり作用の強い化学薬品を用いるからである。従って、アルファ‐アミラーゼ変異体はアルカリ溶液中改善される性能を有するので、本発明の組成物及び方法のアルファ‐アミラーゼ変異体を使用することは好ましい。セルロースを含む布地又は織物を湯通しする場合、アルファ‐アミラーゼを単独に又はセルラーゼと組み合わせて用いてよい。]
[0192] 湯通し及び漂白プロセスは周知である。例えば、そのようなプロセスはWO 95/21247、米国特許第4,643,736、及びEP 119,920に記載され、参照により全体を本明細書に取り込まれる。]
[0193] 湯通し用の商業的に入手可能な製品はGenencor製OPTISIZE(商標)FLEXである。]
[0194] また、本発明は、一以上のバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を用いる布地の処理(例えば、織物の湯通し)の組成物及び方法を含む。酵素は任意の布地処理方法を用いてよく、それは周知技術であり、例えば、米国特許第6,077,316を参照願いたい。例えば、ある実施態様においては、布地の手触り及び外観が、溶液中布地をバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体と接触することを含む方法により改善される。ある実施態様においては、布地を加圧下その溶液で処理する。]
[0195] ある実施態様においては、酵素を織物の製織の間又は後、又は湯通し段階、又は一以上の追加する布地処理段階の間に適用してよい。織物の製織の間、糸に相当な機械的負荷がかかる。機械織機で製織する前に、伸長強度の増加及び切断防止のために、縦糸をしばしばサイジングデンプン又はデンプン誘導体でコートする。酵素をこれらのサイジングデンプン又はデンプン誘導体を除去するために適用する。織物が織られた後、布地を湯通し段階へ進めてよい。これは一以上の布地処理段階を伴う。湯通しは織物からサイズを除く作用がある。製織後、さらに布地を処理する前に均一で洗浄にたえる結果物を確保するためにサイズのコーティングは除かなければならない。また、本発明は、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体の作用によりサイズの酵素的加水分解を含む湯通しの方法を提供する。]
[0196] 酵素を綿素材の布地を含む布地を湯通しするため単独又は他の湯通し用化学試薬及び/又は湯通し用酵素と共に用いてよく、例えば液体組成物中の洗剤添加剤として用いてよい。また、バシルス種(Bacillus sp.)TS‐23菌株アルファ‐アミラーゼ又はその変異体をインディゴ染色デニム生地及び衣類に見られるストーンウォッシュを生産する方法に及び組成物中に用いてよい。衣類製造のために、布地は衣服及び衣類に裁断及製縫され、その後完成する。特に、デニムのジーンズの製造のために異なる酵素的仕上げ方法が開発されている。衣類がデンプン分解酵素の作用を受けている間布地に柔軟性を与え、綿が次の酵素仕上げ段階をより受けやすくするためにデニム衣類の仕上げは通常酵素的湯通し段階で始まる。酵素をデニム衣類の仕上げ(例えば、「バイオ‐ストーン処理」(bio‐stoning process)、酵素的湯通し及び布地に柔軟性を与え、及び/又はプロセスの仕上げに用いてよい。アミラーゼの用量はプロセスのタイプで決まり多様である。小用量は大用量の同じ酵素より時間が必要となる。しかしながら、溶液の物理的制約条件によって示す量以外に湯通しアミラーゼ含有量に上限はない。すなわち、酵素の限界量は溶液中に溶解できる量でよい。一般的に、アルファ‐アミラーゼのような湯通し酵素は、布地の重量で酵素タンパク質の約0.00001%から約2%の量、又は布地の重量で酵素タンパク質の約0.0001%から約1%の量、又は布地の重量で酵素タンパク質の約0.001%から約0.5%の量で処理組成物に取り込まれるし、他の実施例では布地の重量で酵素タンパク質の約0.01%から約0.2%の量である。]
[0197] 3.12ビール製造
また、本明細書に記載の多様なアルファ‐アミラーゼはビール製造プロセスに大変有用であり、アルファ‐アミラーゼを一般的にマッシュにするプロセスの間に添加する。]
[0198] 3.13洗剤組成物
本明細書に記載の多様なアルファ‐アミラーゼは洗剤組成物に添加され、即ち、洗剤組成物の成分となる。]
[0199] 本明細書に記載の洗剤組成物は例えば、染みが付いた布地の前処理に適した洗濯用添加組成物及びすすぎに添加される布地用柔軟組成物を含む手作業、又は機械用の洗濯洗剤組成物として製剤設計されてよく、又は、一般的な家庭用の固い表面洗浄処理に用いるための洗剤組成物として製剤設計されてよく、又は手作業又は機械食器洗浄処理のために製剤設計されてよい。]
[0200] 具体的な実施態様においては、本明細書に記載の変異体酵素を含む洗剤添加剤を提供する。洗剤添加剤及び洗剤組成物はプロテアーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、別のタンパク質分解酵素、例えば、別のアルファ‐アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトジェニックアルファ‐アミラーゼ、CGTアーゼ及び/又はセルロース、マンナナーゼ(Danisco USA Inc., Genencor Division 製MANNASTAR(商標)のような)ペクチナーゼ、ペクチンリアーゼ、クチナーゼ、及び/又はラッカーゼのような一以上の酵素を含んでよい。]
[0201] 一般的に選択される酵素の特性は、選択される洗剤(例えば、最適pH、他の酵素及び非酵素成分等との適合性)と適合すべきであり、酵素は、効果的な量で存在すべきである。]
[0202] プロテアーゼ:適切なプロテアーゼは、動物、野菜、又は微生物のものを含む。微生物が好ましい。化学的に修飾され、又は蛋白質工学的に処理される変異体が含まれる。プロテアーゼはセリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼでもよく、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼ又はキモトリプシン様プロテアーゼでよい。アルカリプロテアーゼの例はサブチリシン類であり、特に、例えばサブチリシンノボ(subtilisin Novo)、サブチリシンカールスバーグ(subtilisin Carlsberg)、サブチリシン309、サブチリシン147、及びサブチリシン168 (WO 89/06279に記載)のようなバシルス(Bacillus)由来のものである。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(例、豚又は牛由来の)、及びWO 89/06270及びWO 94/25583に記載のフザリウム(Fusarium)プロテアーゼである。]
[0203] また、有用なプロテアーゼの例は、WO98/23732、WO99/20770、WO 92/19729、WO 98/20115、 WO 98/20116、及びWO 98/34946に記載の変異体であって特に次の位置、すなわち27、36、57、76、87、97、 101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235、及び274の位置の一以上に置換を有する変異体を含むが、これらに限定されない。]
[0204] 商業的に入手可能なプロテアーゼ酵素はアルカラーゼ(商標)(ALCALASE)、サビナーゼ(商標)(SAVINASE)、プリマーゼ(商標)(PRIMASE)、ドゥララーゼ(商標)(DURALASE)、エスペラーゼ(商標)(ESPERASE)、及びカンナーゼ(商標)(KANNASE)(ノボザイム(Novozymes A/S)製)、マキサターゼ(商標)(MAXATASE)、マキサカール(商標)(MAXACAL)、マキサペム(商標)(MAXAPEM)、プロペラーゼ(商標)(PROPERASE)、プラフェクト(商標)(PURAFECT)、プラフェクトOXP(商標)(PURAFECT OXP)、FN2(商標)、及びFN3(商標)、FN4(商標)(Genencor製)を含む。]
[0205] リパーゼ:適切なリパーゼは細菌又は菌類由来のものを含む。化学的に修飾され、又は蛋白質工学的に処理される変異体が含まれる。有用なリパーゼの例は、フミコーラ(Humicola)(同義語サーモミセス(Thermomyces))由来のリパーゼであって、例えば、EP 258068及びEP 305216記載のフミコーラ ラヌギノサ(H. lanuginosa (T. lanuginosus))由来、又は例えばWO 96/13580記載のフミコーラインソレンス(H. insolens)由来であり又はシュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ由来であり、例えば、シュードモナスアルカリゲネス(P. alcaligenes)又はシュードモナスシュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)(EP 218 272)、シュードモナスセパシア(P. cepacia)(EP 331 376)、シュードモナススタッチェリ(P. stutzeri)(GB 1,372,034)、シュードモナスフルオレッセンス(P.fluorescens)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)の菌株SD 705(WO 95/06720及びWO 96/27002)、シュードモナスウィスコンシネンシス(P. wisconsinensis)(WO 96/12012)由来であり、又はバシルス(Bacillus)リパーゼであって、例えば、バシルススブチリス(B. subtilis)(Dartois他、(1993)Biochemica et Biophysica Acta, 1131 : 253−360)、バシルスステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)、(JP 64/744992)、又はバシルスプミルス(B.pumilus(WO 91/16422)由来を含むが、これらに限定されない。製剤設計の使用が考えられる更なるリパーゼ変異体例は、例えば WO 92/05249、WO 94/01541、EP 407225、EP 260105 WO 95/35381、WO 96/00292、WO 95/30744、WO 94/25578、WO 95/14783、WO 95/22615、WO 97/04079、及びWO 97/07202に記載のものも含む。]
[0206] 商業的に入手可能なリパーゼ酵素はリポラーゼ(商標)(LIPOLASE)及びリポラーゼウルトラ(商標)(LIPOLASE ULTRA(商標))(Novozyme A/S製)である。]
[0207] ポリエステラーゼ:適切なポリエステラーゼを組成物に含むことができる。適切なポリエステラーゼは、例えば、WO 01/34899及びWO 01/14629に記載のものを含む。]
[0208] アミラーゼ:一以上の追加的アミラーゼ(本明細書に記載の多様なアミラーゼに加えて)も含んでよい。適切なアミラーゼは(アルファ及び/又はベータ)は細菌類又は菌類由来のものを含む。化学修飾又はタンパク質工学的に処理される変異体を含む。アミラーゼは例えば、バシルス(Bacillus)から得られるアルファ‐アミラーゼを含み、例えばGB 1,296,839に詳しく記載のバシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)の特別な菌株である。有用なアミラーゼの例はWO 94/18314、WO 96/39528、WO 94/02597、WO 94/18314、WO 96/23873、及びWO 97/43424記載の変異体であり、特に、次の一以上の位置に置換を有する変異体である。その位置は、15, 23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444である。]
[0209] 商業的に入手可能なアルファ‐アミラーゼはデュラミル(商標)(DURAMYL)、リクエザイム(商標)(LIQUEZYME)、ターマミル(商標)(TERMAMYL)、ナタラーぜ(商標)(NATALASE)、ステインザイム(商標)プラス(STAINZYMEPLUS)、ステインザイム(商標)ウルトラ(STAINZYM ULTRA)ファンガミル(商標)(FUNGAMYL)、及びバン(商標)(BAN)(Novozyme A/S製)又はラピダーゼ(商標)(RAPIDASE)、及びプラスター(商標)(PURASTAR)(Genencor製)である。]
[0210] セルラーゼ:セルラーゼを組成物に添加してよい。適切なセルラーゼは細菌又は菌類由来のものを含む。化学的に修飾され、又は蛋白質工学的に処理される変異体が含まれる。適切なセルラーゼは、バシルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、トリコデルマ属(Trichoderma)フミコーラ属(Humicola)、フザリウム属(Fusarium)、チエラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼを含むがこれらに限定されない。例えば、米国特許第4,435,307、米国特許第5,648,263、米国特許第5,691,178、米国特許第5,776,757、及び国際PCT出願 WO 89/09259に開示されるフミコーラインソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフトラサーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、フザリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生産される菌類のセルラーゼである。一般的なトリコデルマレーシ(Trichoderma reesei)セルラーゼは米国特許第4,689,297、米国特許第5,814,501、米国特許第5,324,649、WO 92/06221及びWO 92/06165に記載される。一般的なバシルス(Bacillus)セルラーゼは米国特許第6,562,612に記載される。]
[0211] 商業的に入手可能なセルラーゼはセルザイム(商標)(CELLUZYME)及びケアザイム(商標)(CAREZYME)(Novozymes A/S製)又はクラジネース(商標)(CLAZINASE)及びプラダックスHA(商標)(PURADAX HA)(ジェネンコインターナショナルインク(Genencor International Inc.))及びKAC−500(B)(商標)(花王社)を含む。]
[0212] ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類由来のものを含む。化学的に修飾され、又は蛋白質工学的に処理される変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼ例は、コプリナスシネレウス(C. cinereus)由来のようなコプリナス属(Coprinus)由来のペルオキシダーゼ及びWO 93/24618、WO 95/10602、及びWO 98/15257に記載のようなそれらの変異体由来のペルオキシダーゼを含む。]
[0213] 商業的に入手可能なペルオキシダーゼは、例えば、ガードザイム(商標)(GUARDZYME)(Novozymes A/S製)を含む。]
[0214] 洗剤酵素は一以上の酵素を含む個別の添加物を加えることによって、又はこれらの酵素すべてを含む組合せ添加物を加えることによって洗剤組成物中に含有してもよい。本発明の組成物及び方法の洗剤添加物、すなわち、個別の添加物又は組合せ添加物は、例えば粒子、液体、スラリー等として製剤設計される。好ましい洗剤添加物製剤は、粒子、特に非粉塵化(dusting)粒子、液体、特に安定化液体又はスラリーを含む。]
[0215] 非粉塵化(dusting)粒子を、米国特許第4,106,991及び4,661,452に記載のように調製してよく、任意に周知の方法でコーティングしてよい。ワックスコーティング材の例は、平均分子量1000から20000を有するポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG)、16から50のエチレンオキシド単位を有するエトキシ化ノニルフェノール、12から20炭素原子を含むアルコール及び15から80のエチレンオキシド単位であるエトキシ化脂肪アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、及び脂肪酸のモノ‐、ジ‐、トリグリセロールである。流動層技術による適用に有用なフィルム形状コーティング材の例は、GB 1483591に記載される。例えば、液体酵素の調製物は、プロピレングリコール、糖、糖アルコール、乳酸、ホウ酸のようなポリオールを確立した方法に従って加えることにより、安定化されてよい。被保護酵素はEP238,216に記載の方法に従って調製されてよい。]
[0216] 一般的に、洗剤組成物は例えば棒状、錠剤、粉、粒子、ペースト、又は液体のような任意の便利な形態でよい。液体洗剤は水性、典型的には、約70%水分まで、及び0%から約30%の有機溶剤まで含んでよい。例えば、約30%以下の水分を含むコンパクト洗剤ゲルである。]
[0217] 洗剤組成物は一以上の界面活性剤を含み、それは、半極性及び/又は陰イオン性及び/又は陽イオン性及び/又は両性イオン性を含む非イオン性でもよい。界面活性剤は一般的に、0.1%から60wt.%の範囲に存在する。]
[0218] 界面活性剤が含まれる場合、洗剤は通常約1%から約40%の陰イオン性界面活性剤を含み、例えば、リニアアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルファ‐オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(脂肪アルコール硫酸塩)、アルコールエトキシ硫酸塩、第二級アルカンスルホン酸塩、アルファ‐スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル‐又はアルケニルコハク酸又は石鹸である。]
[0219] 界面活性剤を含む場合、通常、洗剤は約0.2%から約40%の非イオン性界面活性剤を含み、例えば、アルコールエトキレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシ化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミン(「グルカミド」)のN‐アシル‐N‐アルキル誘導体である。]
[0220] 洗剤はゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキル又はアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(例、ヘキスト社製SKS−6)のような0%から65%の洗剤ビルダー又は錯化剤を含んでよい。]
[0221] 洗剤は一以上のポリマーを含んでよい。ポリマーの例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル‐ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン‐N‐オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレート、マレイン/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタアクリレート/アクリル酸コポリマーのようなポリカルボン酸塩を含む。]
[0222] 洗剤は、過酸形成漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート)と結合する過ホウ酸塩又は過炭酸塩のようなH2O2供給源を含む漂白システムを含んでよい。あるいは、漂白システムは、ペルオキシ酸(例えば、アミド、イミド、又はスルホン型のペルオキシ酸)を含んでよい。また、漂白システムは、酵素的漂白システムでもよい。例えば、WO 05/056782を参照願いたい。]
[0223] 本発明の組成物及び方法の洗剤組成物の酵素を、従来の安定化剤を用いて安定化してよい。例えば、プロピレングリコール又はグリセロールのようなポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸、又は例えば、芳香族ホウ酸エステルのようなホウ酸誘導体、又は例えば4−フォルミルフェニルホウ酸のようなフェニルホウ酸誘導体である。組成物はWO 92/19709及びWO 92/19708に記載のように製剤設計されてよい。]
[0224] また、洗剤組成物は他の従来の洗剤成分を含んでもよく、例えば、クレー、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトープ、曇り防止剤、及び/又は香料を含む布地コンディショナーである。]
[0225] 洗剤組成物として、特にバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を洗浄液1リットル当たり0.01から100mgの酵素蛋白質、例えば、洗浄液1リットル当たり約0.05から約5.0mgの酵素蛋白質、又は洗浄液1リットル当たり約0.1から約1.0mgの酵素蛋白質に相当する量を添加してよいことが本発明にて意図される。]
[0226] 本明細書に記載の変異体酵素の一以上をWO 97/07202に記載の洗剤製剤に追加的に取り込んでよく、参照によりここに組み込まれる。]
[0227] 4.組成物及び使用
また、本明細書に記載の変異体酵素の一以上を洗剤における、特に洗濯洗剤組成物及び食器洗浄洗剤組成物、固い表面洗浄組成物、及び織物、布地、衣料の湯通し用組成物、パルプ及び紙の生産、醸造、エタノール生産、及び上記に記載のようにデンプン転換プロセスにおいてアルファ‐アミラーゼ変異体を使用する方法に用いてよい。]
[0228] 4.1洗濯洗剤組成物及び使用
実施態様によれば、一以上のバシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体は、一般的に、洗濯洗剤組成物の成分としてよい。そのような場合、非粉塵化(dusting)粒子、安定化した液体、又は保護された酵素の形態での洗浄組成物を含んでもよい。ドライ製剤は粒子又は微粒子の形態でもよい。非粉塵化(dusting)粒子は例えば米国特許第4,106,991、及び4,661,452に記載されるように生産されてよく、任意的に周知の方法で表面を覆ってもよい。ワックスのコーティング原料の例は、平均分子量1、000から20、000であるポリ(エチレンオキシド)産物(ポリエチレングリコール、PEG)、16から50のエチレンオキシドの単位を有するエトキシ化ノニルフェノール、12から20炭素原子を含むアルコール及び15から80のエチレンオキシド単位が存在するエトキシ化脂肪アルコール、脂肪アルコール、脂肪酸、モノ、ジ、トリグリセリドの脂肪酸である。流動層技術による適用に有用なフィルムコーティング材料の例は、例えばGB 1483591に記載される。例えば、液体酵素の調製物は、確立した方法に従って、プロピレングリコールのようなポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸又はホウ酸を添加することにより安定化される。他の酵素の安定化剤は周知の技術である。被保護酵素を例えばEP Appln.238、216に記載される方法に従って調製してよい。ポリオールは蛋白質の安定化剤としても、蛋白質溶解性の改善としても長い間認められている。例えば、J. K. Kaushik他、「Why is trehalose an exceptional protein stabilizer? An analysis of the thermal stability of proteins in the presence of the compatible osmolyte trehalose」、J. Biol. Chem. 278: 26458−65 (2003)及び そこに引用されている文献、及びMonica Conti他、「Capillary isoelectric focusing: the problem of protein solubility」、J.Chromatography A 757: 237−245 (1997)を参照願いたい。]
[0229] 組成物は、主要な酵素成分、例えば、単一成分組成物として、バシルス種(Bacillus sp.)菌株TS‐23アルファ‐アミラーゼ又はその変異体を含んでよい。あるいは、組成物はアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、アルファ‐ガラクトシダーゼ、ベータ‐ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ‐グルコシダーゼ、ベータ‐グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、デンプン分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ、又はキシラナーゼのような複合酵素活性も以下に記載の他の酵素のような複合酵素活性も含んでもよい。添加酵素はアスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコーラ(Humicola)(例、フミコーラインソレンス(H. insolens))及びフザリウム(Fusarium)属に属する微生物の手段により生産されてよい。アスペルギルス(Aspergillus)属の典型的な仲間はセルロース高分解糸状菌(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、又はアスペルギルスオリザエ(Aspergillus oryzae)を含む。フザリウム(Fusarium)属の典型的な仲間はフザリウムバクテリジオイデス(F. bactridioide)、フザリウム セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウムクロオクウェレンセ(Fusarium crookwellense)、フザリウム クルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウムグラミネアルム(Fusarium graminearum),フザリウム グラミナム(F. graminum)、フザリウム ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウムネガンディニス(Fusarium negundinis)、フザリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウムロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウムサンブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウムサルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウムスルフリューム(Fusarium sulphureum)、フザリウムトルローサム(Fusarium torulosum)、フザリウムトリコテキオイデス(Fusarium trichothecioides)及び、フザリウム ベネナツム(Fusarium venenatum)を含む。]
[0230] 洗剤組成物は例えば、粉体、粒体、ペースト、又は液体として、いずれかの有用な形態でよい。一般的に、液体洗剤は、約70%までの水及び0%から約30%の有機溶剤を含有する液体でよい。また、約30%の水のみを含むコンパクトゲルタイプの形態における洗剤組成物でもよい。酵素は酵素の安定性に適合する任意の洗剤組成物を用いてよい。一般的に、酵素は、カプセル化という周知の形態によって有害な成分から保護され、例えば、ハイドロゲルでの粒状化及び封入である。酵素及び特定のアルファ‐アミラーゼは、洗濯及び食器洗浄に適用に限定されず、また、表面洗浄剤、デンプン又はバイオマスからのエタノール産物でも用いられる。]
[0231] 洗剤組成物はそれぞれ陰イオン、非イオン、陽イオン、両性イオンである界面活性剤の一以上を含む。洗剤は、通常、リニアアルキルベンゼンスルホン酸塩(linear alkylbenzenesulfonate)(LAS)、アルファ‐オレフィンスルホン酸塩(α‐olefinsulfonate)(AOS)、アルキル硫酸塩(alkyl sulfate)(脂肪アルコール硫酸塩(fatty alcohol sulfate))(AS)、アルコールエトキシ硫酸塩(alcohol ethoxysulfate)(AEOS又はAES)第二級アルカンスルホネート(secondary alkanesulfonates)(SAS)、アルファ‐スルホ脂肪酸メチルエステル(α‐sulfo fatty acid methyl esters)、アルキル‐又はアルケニルコハク酸(alkyl‐ or alkenylsuccinic acid)又は石鹸のような0%から約50%の陰イオン界面活性剤を含む。また、組成物は、アルコールエトキシレート(alcohol ethoxylate)(AEO又はAE)、カルボキシル化アルコール エトキシレート(carboxylated alcohol ethoxylates)、ノニルフェノールエトキシレート(nonylphenol ethoxylate)、アルキルポリグリコシド(alkylpolyglycoside)、アルキルジメチルアミンオキシド(alkyldimethylamineoxide)、エトキシ化脂肪酸モノエタノールアミド(ethoxylated fatty acid monoethanolamide)、脂肪酸モノエタノールアミド(fatty acid monoethanolamide)、又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド(polyhydroxy alkyl fatty acid amide) (例えばWO 92/06154に記載されるように)のような0%から約40%の非イオン界面活性剤を含んでもよい。]
[0232] さらに、洗剤組成物は、リパーゼ、クチナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及び/又は任意の組み合わせのラッカーゼのような一以上の酵素を含んでもよい。上記を参照願いたい。]
[0233] 洗剤は、任意に、約1%から約65%の洗剤ビルダー又は錯化剤を含んでよく、例えば、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキル又はアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(layered silicates)(例えば、ヘキスト製SKS−6)である。また、洗剤は、アンビルト(unbuilt)でもよい。即ち、本質的に洗剤ビルダーがなくてもよい。]
[0234] 洗剤は、任意に、一以上のポリマーを含んでよい。例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC),ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリアクリレート、マレイン/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタアクリレート/アクリル酸コポリマーのようなポリカルボン酸塩を含む。]
权利要求:

請求項1
親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体であって、前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸を有し、該変異体は下記の少なくとも二つ(a)C末端の欠失、(b)201残基の置換、又は(c)R180及びS181残基の欠失を含み、ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸配列をいう変異体。
請求項2
前記変異体がアルファ‐アミラーゼ活性を有することを特徴とする請求項1に記載の変異体。
請求項3
前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも90%の相同性を有する請求項1又は2に記載の変異体。
請求項4
前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも95%の相同性を有する請求項3に記載の変異体。
請求項5
親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体であって、前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも85%の相同性を有し、C末端の欠失を含む変異体。
請求項6
配列番号2のアミノ酸配列を有する請求項5に記載の変異体。
請求項7
前記変異体が親アミラーゼと比較して冷水中デンプン汚れに対して増加した洗浄活性を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の変異体。
請求項8
さらに、R180及びS181の位置にて残基の欠失を含み、ここで、前記アミノ酸残基の位置が配列番号1のアミノ酸配列をいうことを特徴とする請求項5又は6に記載の変異体。
請求項9
前記変異体が親アミラーゼと比較して増加した洗剤安定性を有することを特徴とする請求項8に記載の変異体。
請求項10
さらに201位置にて残基の置換を含み、ここで前記アミノ酸残基の位置が配列番号1のアミノ酸をいうことを特徴とする請求項5又は6に記載の変異体。
請求項11
前記変異体が親アミラーゼに比較して増加した酸化安定性を有することを特徴とする請求項10に記載の変異体。
請求項12
前記置換がM201Lであることを特徴とする請求10又は11に記載の変異体。
請求項13
前記親アルファ‐アミラーゼが配列番号1のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の変異体。
請求項14
請求項1から請求項13のいずれかに記載の変異体であって、さらに、残基87、残基225、残基272、及び残基282からなる群から選択される残基の一以上にて置換を含むことを特徴とする変異体。
請求項15
請求項1から請求項14のいずれかに記載の変異体をコードする核酸。
請求項16
適切なプロモーター制御下に設けられる、請求項15に記載の核酸を含む発現ベクター。
請求項17
請求項16に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
請求項18
手作業又は自動食器洗浄組成物であって、請求項1から請求項14のいずれかに記載の変異体及び界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、曇り防止剤及び香料の一以上を含むことを特徴とする組成物。
請求項19
洗濯洗剤添加剤であって、請求項1から請求項14のいずれかに記載の変異体及び界面活性剤、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、漂白システム、安定剤、泡増進剤、石鹸泡抑制剤、抗腐食剤、泥懸濁剤、抗泥再堆積剤、染料、抗菌剤、ハイドロトープ、蛍光増白剤、繊維コンディショナー、及び香料の一以上を含むことを特徴とする添加剤。
請求項20
織物からデンプンを除く方法であって、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体存在下織物をインキュベーションすることを含み、ここで前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、該変異体は下記の少なくとも二つ(a)C末端の欠失、(b)201残基の置換、又は(c)R180及びS181残基の欠失を含み、ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸をいい、前記インキュベーションは織物からデンプンを除去するように設けられる方法。
請求項21
デンプンを処理する方法であって、親AmyTS23アルファ‐アミラーゼの変異体存在下に織物をインキュベーションすることを含み、ここで前記変異体が親アルファ‐アミラーゼに少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を有し、該変異体は下記の少なくとも二つ(a)C末端の欠失、(b)201残基の置換、又は(c)R180及びS181残基の欠失を含み、ここで、前記アミノ酸残基は配列番号1のアミノ酸をいい、前記インキュベーションは前記デンプンを加水分解するように設けられる方法。
請求項22
織物からデンプンを除く方法であって、請求項1から請求項14のいずれかに記載の変異体存在下に織物をインキュベーションすることを含み、前記インキュベーションが織物からデンプンを除去することを特徴とする方法。
請求項23
デンプンを処理する方法であって、請求項1から請求項14のいずれかに記載の変異体存在下に織物をインキュベーションすることを含み、前記インキュベーションが織物からデンプンを加水分解することを特徴とする方法。
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同族专利:
公开号 | 公开日
EP2245130A2|2010-11-03|
HK1154264A1|2012-04-13|
CA2713582C|2017-02-21|
CN101970634B|2014-01-22|
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AU2009212526A1|2009-08-13|
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引用文献:
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法律状态:
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